『しずく』西加奈子/著

昨日上野公園を歩いていたら、知り合いの三味線奏者の方にばったりお会いしました。

人の多い東京でたまたま知人に会うなんてかなり珍しいです。
芸能人を見る方が少し多いくらいです。(去年は江古田でTOKIOの城島リーダーを見ました)

ところで先月くらいから本の当たりが続いてます。

中島らもに始まって村上龍、西加奈子、西村賢太・・・。それぞれ作風はまったく違いますが、どれも面白くて、ついつい読みこんでしまいます。

ところで図書館で本を借りるときに読み込まれた本かどうかを読まずに知る方法というのを友達から教えてもらいました。
それは背表紙の角度を見るという方法です。

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上と下の本を見比べると分かりますが、上の本は背表紙が30度くらい傾いてます。
一方、下の本は殆ど傾いてません。
本は開いている時間が長くなるほど徐々に傾いていくらしいです。

傾いている → 開かれた時間が長い → 読み込まれた時間が長い

という理論です。



今日紹介する本は上記画像の30度の本です。


西加奈子「しずく」(光文社)

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2007年出版の短編集です。

表題作「しずく」は、言ったら単純なよくある話です。
苦労を共にしてきた男女が仕事によるすれ違いでの別れ。
それをペット(猫)の視点で描いてます。

猫の視点は素直でコミカル。
猫は起きた事はすぐ忘れて、気ままで自由にふらふら。

暗くなりそうな話を、明るくおかしくしてます。

余談ですが、なんか自分自身とはえらい違いです。
何事も物事をストレートに馬鹿正直に感じてしまう自分自身なので、
何かあると分かりやすく凹んでしまいます。

視点変えるだけで楽になるのかもな・・・と思います

・・・が、そういう別な視点を持ったり、自分を俯瞰することが全然できないんですよね。
自分ってどうしてこんなに単純なんだろうとか、結局騙されやすいタイプなんだろうなと思います。


あ、暗くなりかけたので話を本に戻して・・・


猫は飼い主がする事に素敵な名前をつけます。

蛇口から落ちる雫に名前をつける所は、せつなくてあったかいです。

少し泣けました。

猫と飼い主の気持ちが一瞬交わるような、そんな素敵な話です。


今日はここで以上です。

毎週月曜日に更新。次回は3月24日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2014-03-17 11:29 | 西加奈子 | Comments(0)

大した事してるわけじゃないのに何かとバタバタしてます。

でも、しなきゃいけない事がありつつの惰眠は気持ちよくもあります…。
ああ人間だもの。
分かっちゃいるけどやめらない。


…いやいや、しっかりせねば。

今日の音楽は栗コーダーカルテット「夏から秋へ渡る橋」です。

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栗コーダーカルテット好きです。いつかライブ行きたいです。聴いてると癒されます。



今日は忙しい時や疲れた時に読みたくなる本、遠藤直幸的、癒し系な本を何冊か紹介します。



たかぎなおこ「150cmライフ」(メディアファクトリー)

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身長150センチの著者。
そこからの目線で日常で起こる様々なことをコミックエッセイにしてます。
ときどきは高身長に憧れたり、でも150センチで少し得をしたり…。
ほのぼのでまったりします。



浅田政志「浅田家」(赤々舎)

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写真家・浅田政志が自分の家族をテーマに撮った写真集。
家族にコスプレさせて、ゴレンジャーになったりラーメン屋になったり消防士になったり。
家族であるが故の空気感が写真から漂ってていいです。
そして、写真は言葉がないからいいです。



ほしよりこ「今日の猫村さん」(マガジンハウス)

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家政婦として働く猫の猫村さんが主人公の漫画。
世話好きで涙もろい猫村さん。
派遣先のちょっと訳ありな家族に、ついつい首をつっこんでしまいます。
猫村さんのひとり言にハッとさせられたりウルッときたりします。


おまけ


サンテグジュペリ「星の王子さま」(新潮文庫)

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世界中で愛される童話であり、名言集であり、心休まる絵本でもあります。
いつかこの本をメインでブログに取り上げたいです。
そしてさらにいつか、尺八で表現してみたいです。
疲れた時や落ち込んだ時、手にとってしまいます。


ここらへんで今回は以上です。

更新は毎週月曜日。次回は10月21日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2013-10-14 10:28 | 複数著者など | Comments(0)

『ねこぢる草』映画

今日聞いてるのはブランキージェットシティ「小麦色の斜面」です。

アルバム「BANG!」の中の曲です。このアルバム好きでよく聞いてます。

1992年の作品なのに古さを感じないです。

先日、上野の東京都美術館に行ってきました。
福田美蘭展を見てきました。
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現代に生きる画家として、今を生きる人の感性に寄り添う作品や、古典美術の現代における捉え方とか興味深く、面白かったです。

9月29日まで開催しているみたいです。


今日は映画の紹介です。

アニメ映画「ねこぢる草」(原作・ねこぢる、監督・佐藤竜雄)

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ねこぢるは猫の姉弟、にゃーこ と にゃっ太の物語です。
かわいい猫のキャラクターですが(上の画像ではそう見えないかもしれませんが…)、内容 は少し残酷でちょっと怖いです。

ちなみに元々のアニメはこんな感じです。

ねこぢるの作者ねこぢる(作者のペンネームも『ねこぢる』です)は1998年に亡くなっています。

作者が亡くなった後に2001年に発表されたアニメ映画です。ねこぢるの世界を、その影を追うように作られた作品。

このアニメ映画『ねこぢる草』は、もともとのねこぢるのアニメとは違い、幻想的な世界が展開されます。

簡単なあらすじです。

病気のにゃーこは死神によって魂が半分になってしまいます。にゃーことにゃっ太は一緒にサーカスに行き、その出し物の最後に出てきたお化けが爆発して、あたり一面大洪水。姉弟は海に漂い、その後砂漠にたどり着き、夢か現か分からない世界をさまよう。


…と大まかに書いてみましたが、どちらかと言えば抽象的なアニメなので言葉では伝えにくいですね。

物語の中で印象的なエピソードが所々に挟み込まれています。

バラバラになった猫を縫い合わせいる老婆、
汲み上げ続ければ枯渇してゆく水で出来た像。
時間を支配する神。

それぞれの場面は印象深いですが、僕が特に印象に残っているのは神の場面です。
神は自分の食欲というありふれた欲望を満たすため、自在に時間を前後します。それにより地球の時間も前後していきます。
時間に振り回される人間ですが、それの根本は神の陳腐な食欲という欲求でしかない現実。
でも人間達は時間の経過、前後に大きな意味があるように感じてしまいます。



それぞれの場面の一つずつを見ても、映像が綺麗だったり、または澱んでいたりします。


上記の「小麦色の斜面」の歌詞、「想像力のカプセルを一つ飲み込んで、目をつむるだけさ」を思い出します。



かわいらしい猫と無残さの対比。生まれては泡のように無くなるエピソード。
時折出てくる金属の蝶は生命と非生命の境界でゆらゆらしているように感じます。

良いなぁと思うアニメなんですが、…僕が好きなくらいなんで、まぁ暗い映画です。

映画の最後は少し悲しい終わり方をしますし、ちょっとグロテスクな場面もありますが、それでも見ようかなと思う方にはオススメします。

30分程度の短編アニメです。

今日はこのへんで以上です。

更新は毎週月曜日。次回は9月30日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2013-09-23 11:28 | 映画 | Comments(0)

先日高崎に行ってました。

6/29のブログにも書きました「ドキュメンタリー映画 100万回いきたねこ」を観てきました。
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映画公開終了が迫っていたので、急いで駆け込んだ感じです。

感想としては、無理してでも観て良かったです。

映画の内容は絵本の作者・佐野洋子さんの晩年、そして絵本を軸にして数々の一般女性が登場してきます。女性達は人生への悲しみや喜び、はかなさ等を言葉少なく語ります。
そして、その合間に心理描写を思わせるような美しい風景、そして所々で絵本の読み聞かせ、女優・渡辺真起子さんのナレーションが入ります。

絵本の内容と女性達の人生がリンクしながら、映画は静さを保ち進行します。無言、無音声のシーンが多用され、ゆっくりと映像は流れながら、人生の残酷さや無常のようなものが心に迫ってきます。

佐野洋子さんのインタビューや肉声も挿入されていました。
「生きることに大した意味なんてない」「死んでも金なんか残さない」「大切なものは目にみえない」…

佐野さんの言葉はストレートでぶっきらぼうな印象でした。しかし、その言葉は飾り気なく本音の言葉で胸に入ってきました。

この映画を見る前から「100万回いきたねこ」は大好きな絵本でした。単純な話であるだけ様々な捉え方があります。

映画を見終わって再度この絵本を考えたとき、色々な解釈はあれども、自分が素直に感じたまま捉えればいいんじゃないかなと感じました。それは佐野さんの本音のストレートな言葉の印象から感じたことでした。

高崎に行って良かったです。

そして、この映画で音楽を担当されたコーネリアスの楽曲も良かったです。



ところで前回のブログで告知しました自分のコンサートの詳細です。

小さな会場ですが、自分が思っていることや、大げさにかっこつけて言えば美意識みたいなものを表現できれば思っています。助演は作曲家でピアニストの木下愛子さんです。


遠藤直幸 尺八コンサート
「漸近線-いつか見る交点は-」
【日時】
10/27(日)
14:30開場、15:00開演
(16:00終演予定)
【料金】
1500円(定員30名、ご予約優先)
【場所】
かふぇ&ほーるwith遊
(荻窪駅徒歩7分、杉並区荻窪3-46-13)
【出演】
遠藤直幸(尺八)
ゲスト・木下愛子(ピアノ、作曲家)
【コンサートについて】
永遠に近づきながら、永遠に交わることのない漸近線。もちろん交点は存在しない。
上京10年、遠藤直幸の初めてのソロコンサート。
音楽とは何か、そして大きく言えば、生きることとは何か。途方もなく大きな問題に、答えもなく逡巡を繰り返す日々。
たとえ答えがなくとも漸近線のように永遠に近づこうとするその行為の尊さを思い、音を作り出す。

【問合せ先】
oxyges8nuque@yahoo.co.jp
090-4783-8742

ご来場頂けたら嬉しいです。

なお福島公演も今年の11月16日(土)に決まりました。
詳細はまだ詰めている段階です。また告知します。

では長々読んで頂きありがとうございました。

次回更新は7月10日にいたします。
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by mamesyakuhachi | 2013-07-05 11:10 | 佐野洋子 | Comments(0)

三年ぶりのブログ更新です。

写真も古いので変えました。

三年も何やってたんだと、思う方も、思わない方も、興味ある方も興味ない方もいると思います。

ブログを更新をしようと思ったのは、自分の今思ってる事とか関心あることを発信してみようかなと思ったからです。

趣味のブログに近くなるかなと思いつつ。

最近暇を見つけては図書館行って本をかりて読んだりしてます。趣味読書っていうと少し高尚な感じですが、好きな本をぼちぼち読んでるくらいです。

それでこれからブログで読んだ本を紹介しながら日々感じることや思うことを書いていきたいと思います。

初回はすごくメジャーな本です。

佐野洋子「100万回生きたねこ」
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内容はご存じの方も多いと思います。百万回生きて百万回死んだ とら猫。死ぬのなんか平気で悲しくもない。
それがある時、白く美しい猫に出会い恋をする。愛と悲しみを知ったとら猫は二度と生き返らなくなる。

この本の良さは、あくまで自分の考えですが、「いろいろな読み方ができること」と思っています。
佐野洋子さんが亡くなる少し前の対談集「人生のきほん」の中で、この絵本について触れているんですが、
対談相手の西原理恵子さんという方が「子供にはわからないかも」と言ったことに対して「分からなくていいのよ」と仰ってました。
僕はそれが凄く印象的でした。
この絵本について色々な解釈がされています。僕はどれも興味深いです。

白い猫を深く愛して死んだとら猫は幸せで、生き返っても白い猫にはもう会えない。白い猫を愛した思い出を死という永遠に閉じ込める。という解釈。そして、それに近いもので、白い猫に会えないならもう生き返っても意味がない。初めて訪れた悲しみと後悔は、同時に生きたことへの限りない喜び。という解釈。そして、それと違う解釈で、白い猫に対する愛は、とら猫の一方的な愛であり、それはこの絵本の冒頭で繰り返されたとら猫の経験がそのまま白い猫に当てはまるという解釈。

僕はどの解釈も興味深く面白く、短くも簡潔なこの絵本の深さに感動しました。

人生のある時点で「これが正解だろう」と思うことってあると思います。でも僕は迷いがちで悩みやすい人間なので「あの時は正解だと思ったけど違うかも」と思ってしまいます。そんな人間だから、この絵本の幅の広さや深さが好きなんだと思います。絵本というもの良さは言葉の少なさと、そして一つ一つのページに文字を埋めつくさない表現手段だと思います。絵の美しさや、言葉の配置、そして少ない言葉だからこそ、その一言ずつがきちんと時間をかけて選ばれている。

そんな素敵な絵本です。

ところで現在「ドキュメンタリー映画 百万回生きたねこ」が公開中です。といっても既にほぼ公開が終了していて残るは群馬県高崎での公開のみの様です。映画がある事を先日知ったばかりで、まだ見ていないのですが、近いうちに高崎に行って見てみたいです。
佐野洋子さんの晩年と絵本を巡る人々の想いを描いた映画との事です。面白そうです。

では長々と雑記失礼しました。今日はこの辺で。
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by mamesyakuhachi | 2013-06-23 08:26 | 佐野洋子 | Comments(0)