先週は久しぶりに映画館に行きました。

打楽器奏者で和楽器オーケストラあいおい所属の長谷川剛士くん(下の写真の彼です)とふたりで「永遠の0」

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新宿バルトナインの10階から見える夜景は綺麗でした…って男と夜景見てもしょうがないっすけど。
(しかも素の長谷川くんは少しキモい)

というか、仕事仲間とプライベートで映画なんて多分初めてです。


今日は2冊、紹介します。

インターネットのまとめサイトで読者芸人・ピースの又吉直樹さんが取り上げていた本です。


筒井康隆「最後の喫煙者」(新潮文庫)

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喫煙が社会的な悪と認識され、世間からの弾圧が始まる。最終的に国会議事堂の屋根の上に追い込まれた最後の喫煙者の行く末は・・・。

タバコへの嫌悪から喫煙者は非国民扱い、区別から過剰な差別へ。
喫煙者は村八分にされ、タバコ屋には放火、次々に廃業・・・
タバコぐらいで何もそこまで・・・そんな事になるかよって話なんですけど、
「正義とか善とか大義名分がある時ほど人間の残虐行為がエスカレートする時はないのだ」
というように世間の多数をしめる健康至上主義によって喫煙者は弾圧されていきます。

この作品は昭和62年の作品です。喫煙者に対して現在よりは寛容だった時代に書かれてます。
作品では嫌煙の辿る道をおおげさに書いてますが、これからの禁煙社会をなんとなく予見している所もあるな・・・と個人的に思いました。

そしてこういう過剰反応は喫煙に限ったことじゃないなとも思いました。



稲垣足穂「一千一秒物語」(新潮文庫)

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星や月にまつわる話を詩的に描いた作品です。ごく短い話が沢山つめこまれています。



露台に落ちていた白っぽいものを口にいれると だしぬけに街上に突き落とされ 口の中から星のようなものが飛び出す 起き上がると黄色い窓が月下にカラカラとあざ笑っている

全てのものがガラス箱に納まってシーンといている深夜 街灯の下をゼンマイ仕掛けの木馬が走っている 木馬は大きなテントの中へ入り きれいなビラを貼ったトランクが積み上げられている 近づくと黒いものが踊り出し自分を跳ね飛ばす 小屋馬車が幾台も通りすぎてゆく

黒猫をつかまえてしっぽを切ると 黄色い煙になってしまう あたまの上でキャッ!という声がした 尾の無いホーキ星が逃げて行くのが見えた




擬人化された星や月が幻想的な雰囲気で、選びとられた言葉が作品の不可思議さをより印象づけます。

ポストカードを一枚ずつ見るように楽しめる作品です。


今日はこの辺で以上です。

毎週月曜日に更新。次回は2月3日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2014-01-27 11:20 | 複数著者など | Comments(3)

なんかワンダーランドというか、ちょっと不思議な世界だなって思う本に惹かれます。

さくらももこ「神のちから」(小学館)

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独特な漫画です。短編20話。
とにかくシュールです。
頭が壺になった男、ヘソにすいこまれる話、世界はみんな西山になる・・・
取り留めない系、オチがない系、妄想系です。

理不尽も滅茶苦茶も、神様の力…なんでしょうかね。

定期的にこんな本を読みたくなります。


吉本ばなな「アムリタ」(新潮社)

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吉本ばななは文章が不思議な印象です。
読んでると引き込まれるんですが、読むのを一旦やめると、しばらく放置してしまいます。

文章は宙に浮いたような、雲を掴むような、そんな感じがします。

内容は恋愛小説ではっきりとした展開もあるし、会話も成立してるのに、なんとなく色が薄く、サラサラ、フワフワした印象です。

不思議で魅力的な作品だと思います。


今日はこれにて以上です。

毎週月曜日に更新。次回は1月27日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2014-01-20 22:41 | 複数著者など | Comments(0)

相変わらずの暑さですね。

今日聴いてるのは鬼束ちひろのカバー「カーペンターズの青春の輝き」です。

先週末も郡山に行ってきました。
楽器屋さんにソロコンサートチラシ置かせてもらったり、お琴の演奏会に伺ったりと、地道ながら宣伝してきました。

そして僕の大好きな絡王乳業のカフェオレ、そのカフェオレクランチを土産売り場で見つけました。

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今日は好きな絵本作家エドワード・ゴーリーの紹介です

「華々しき鼻血」(エドワード・ゴーリー、柴田元幸訳)

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ゴーリーいわく「迷ったら、アルファベットをやる。素材をまとめる上でこんないい手はない」

この絵本はアルファベットA~Zの順序をもとに描かれた絵本です。

アルファベット順にしてるのは「副詞」です。

A→Aimlessly(あてどなく)
B→Balefully(まがまがしく)
C→Clumsily(ぞんざいに)


Aであれば「あてどなく 木立をさまよう」
Bであれば「まがまがしく 子らをにらむいきもの」
Cであれば「ぞんざいに 供されたプティング」…
という感じで、話に筋道があるわけでなく、それぞれのページは前後関係なく独立して展開します。

この絵本は特に道徳観とか倫理観を諭すわけでも、起承転結があるわけでもありません。統一感はアルファベット順ということだけです。

でも、豊かな想像力の世界です。

この絵本は荒唐無稽(結局僕は荒唐無稽が好きです)と少しの残酷さ、取り留めなさ、それらをゴーリーの言葉の言い回しとモノクロの絵で描き出しています。

感情は抑えて客観視することによる独特の距離感、その隔たりで生まれる他人目線。当事者には深刻なのに、ゴーリーの絵と視点が入ると、少し緊張感が無くなり皮肉や風刺っぽくなると感じます。

そして外国の絵本の為、訳が重要になるんですが、柴田元幸の訳はかなり良いです。

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同じゴーリーの「うろんな客」という絵本も柴田元幸の訳が良いです。
絵本なのに短歌と四字熟語を組み合わせるという斬新な手法を使ってます。


しかしながら、子供向けではないかもしれないですね。「華々しき鼻血」も「うろんな客」も上の表紙のような絵で、少し不気味ですから。

その分、大人が読んでも充分楽しめます。絵本で短いので忙しい方にもオススメです。


では今日はこのへんで。

更新は毎週月曜日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2013-09-02 10:40 | エドワード・ゴーリー | Comments(8)

このブログ書きながら、ユニコーン聞いてます。
曲は「車も電話もないけれど」です。

ユニコーンといえばメインボーカルは僕の好きな奥田民生ですが、
もともとは僕の姉が学生時代によく聴いてました。

そして姉の上に兄がいるんですが、兄はギターも弾いてバンドもしてて、
音楽もいろいろ聴いてました。
姉も兄も学校ではどっちかというと垢ぬけてた感じのグループに属してたようで、
地味な僕とは違う世界の人でした。

兄が好きだったものの中で今僕が聴いてるのはブランキージェットシティです。

兄、姉がそれぞれ上に書いたアーティストを聴いてた頃、隣の部屋にいた僕の耳にも自然に曲が入ってきました(実家は壁が薄かった)。当時はそんなに良いと思わなかったのに今は好きでたまに聴いているって不思議な感じもします。

でも盆正月に兄や姉と会った時に「今ユニコーンとかブランキー時々聴いてるんだよね」って気恥ずかしくて言えませんが。


ところで、生まれて初めて買ったCDって
僕はMrchildrenのatomic heartでした。
以前飲み会で、初めて買ったCDの話題が出て、atomic heartって言ったら周りから「かっこつけんな」みたいなこと言われ、横にいた後輩が
「これからは、ガラガラへびがやってきた、とかにした方がいいっすよ」とアドバイスしてくれました。


確かに初めて買ったのがミスチルとか、ちょっと周りの目を意識してる感じしなくもないですね。
でも、なんで買ったかって当時(中二)好きだった人が、ミスチル好きだっただけの理由のみです。

さらに痛い思い出ですが、ミスチルのcross roadの歌詞に「傷つけずには愛せない」っていう所があって、当時(中二)の僕は「あ~分かるなぁ」とか共感し、のぼせて友達に言ってましたから、本当に手のつけようがないです。

ところで本の紹介です。
そんな痛い福島での学生時代に読んだ小説です。

「ノルウェイの森」(村上春樹)

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今さら紹介することでもないと思いますので内容とか省きます。
この本は高二の時に読んで、また半年前くらいに再読しました。
再読すると印象が変わってることあると思うんですが、僕は印象は変わらなかったですね。

僕の印象は、なにか薄い膜の張った表面を指先でなぞるような感覚の小説という感じです。

浮世ばなれしているといえばそうなんですけど、この作品の良さは現実的でもありながら現実から離れたところで宙に浮いているような所だと思います。

いちいち言葉使いとか単語の選び方が気取ってる感じですが、作品の世界観考えると特に気にならないです。

でもまぁ「ノルウェイの森」紹介なんて今さら感強いですね。
それを読んでた高校生だった僕は男子高に通ってて、女子と話す機会はほぼゼロでした。
大学入ったら主人公のワタナベみたいな大学生活もいいなーとか思ってました。

現実は女性に免疫がなくなり、同学年の人にも敬語使う始末。痛いです。

ところで数年前に松山ケンイチ主演で映画化されてますね。

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映画になるっていう制約がある以上、省略しなきゃいけないこともありますし、文字を映像にしてしまいますから原作とは違くなりますよね。
僕の感想は簡単に言えば「良かった」です。映像になる上で自分の思ってた人物像(ビジュアルや話し方)は確かに違うところもありましたけど、原作の世界観を大切にしている感じと表現の仕方は良いと思いました。



という感じで今回は以上です。

次回更新は7月28日にします。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2013-07-23 10:01 | 村上春樹 | Comments(0)