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先日、中野区立江古田図書館のビブリオバトルに参加してきました。(ビブリオバトルって何?という方はこちら

2月に文京区立本郷図書館で参加してから、久しぶりの参加です。

今回のテーマは「刺激」。

持参した本はこちら

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「佐佐木幸綱作品集」(本阿弥書店)

この本は佐佐木幸綱の短歌作品集です。
何が刺激的だったかというと「短歌の読み方を変えるきっかけになって刺激的だった」という部分です。

普段、本を読むときは基本的に最初から読んで、理解しながらすすんでいくことが多いです。
でも、全ての本を頭から読む必要もなければ、全てを理解して読む必要もないよなぁ。とふと思いました。

たとえば展覧会で絵を見る時、別に全ての作品をじっくり見なくても楽しめるし、好きな作品は勝手に目に飛び込んでくるし。

という気持ちでこの歌集を適当にパラパラみていくと、確かに引っかかる作品はでできます。

たとえば

友一人二人五人と増やし来て千の賀状の束燃す日ぐれ

噛めばかすかな海ほおずきの頬そめてお前が笑う今日は祭

こんな作品たちです。

こんなことをビブリオバトルでプレゼンしようと思い、

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いざ本番へ

結果は……



1位になれませんでした。
本番はなんかしどろもどろになってしまって、うまくプレゼンできませんでした。

まー、しゃーないです。

ちなみに他の紹介本は

【一戦目】
「空中ブランコ」奥田英朗 → 1位
「ひぐらしのなく頃に」竜騎士07
「僕と妻の1778話」眉村卓
「松岡修造の人生を強く生きる83の言葉」松岡修造

【二戦目】
「ミッキーマウスの憂鬱」松岡圭祐
「佐佐木幸綱作品集」佐佐木幸綱
「アーミッシュの赦し」ドナルド・B・クレイビル他 → 1位

という感じでした。

負けても今回は平気です。
佐佐木幸綱も次のように詠んでいますから

おお朝の光の束が貫ける水、どのように生きても恥


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by mamesyakuhachi | 2017-06-12 00:01 | 佐佐木幸綱 | Comments(0)

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久しぶりにビブリオバトルに参戦してきました。
(ビブリオバトルというのは人前で好きな本を発表して、どの本が読みたくなったかを決める書評バトルです。)

今回参加したのは文京区立本郷図書館のビブリオバトル。

テーマは「女流作家対決!華の乱!!」ということで、僕が持参した本はこちら。

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「ももこの話」さくらももこ(集英社)

普段は発表前に練習して行くんですけど、今回は敢えて練習なし。
即興トークで一位とってみせる、と意気揚々と本郷図書館にむけ出発。

さあ、乗り換えの池袋駅。
バスに乗るぞと思ったら

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バス停の場所間違えて既にバス発車済み…。
しゃーない電車だ!

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山手線に到着。
しかし幸先悪いな。

ちなみに…電車内でも紹介本のことは忘れるため他の本に没頭してました。

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(「メメントモリ・ジャーニー」メレ山メレ子、亜紀書房)

と、なんだかんだありつつ、

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本郷図書館最寄りの千駄木駅に到着。
時間も間に合った。

歩くこと3分くらいで本郷図書館に着きました。

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館内入ると看板もでてます。

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ここから先は撮影が難しいので、文章で説明。

会場は会議室。
お客さまは30人くらい。
発表者は7人。(4人と3人に分かれて2ゲーム)

僕は第1ゲームに参加。

発表時間の5分のうち4分ぐらいは紹介本に関係ないこと(尺八やってるんすよ~、とか、本好きなんすよ~)ばかり喋り続けてました。

本に関係ないけど、何となくウケてる感じがする!する!
こりゃいけるぞ。


……んで結果。





……ダメでした。
(終わったあとにお客さまから「遠藤さんの話が一番面白かったです」という感想は頂きました。でも紹介本を読みたくなるのとは別なんでしょうね……)

ちなみに第一ゲーム他の紹介本は
「貧しき人々の群れ」宮本百合子
「バムとケロのそらのたび」島田ゆか
「宇宙のみなしご」森絵都→1位

でした。(ちなみに2位以下は公表されないので、僕の順位は不明)

あと第二ゲームは
神去なあなあ日常」三浦しをん→1位
「ひとりずもう」さくらももこ
「明日の子供たち」有川浩

という結果でした。

1位になれず残念でした。
けどまー、他の発表者の方や図書館の方とも仲良くなれたんで、良しとします!
(館長さんに「館長対抗ビブリオバトルをしましょう!」と提案してきました。館長さんは苦笑い……)

次は勝つぞ!


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by mamesyakuhachi | 2017-02-13 00:01 | 尺八と生活 | Comments(0)

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先週、高知新聞に載りました。
6月18日、19日の高知でのコンサートについて記事にして下さいました。

早速反響があり、高知在住の友人から「記事読んだよ~」との連絡があったりして、とても嬉しいです。

というわけで、コンサートを再宣伝させて下さい。
いよいよ今週の土日です。

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『尺八奏者 遠藤頌豆コンサート 音楽が与えてくれた世界』

【日程・会場】
6月18日(土) 10:00開場10:30開演
高知市木村会館(高知市旭町3-121 地図
6月19日(日) 18:00開場18:30 開演
高知県立県民文化ホール・グリーン(高知市本町4-3-30 地図

【料金】
両日とも 一般前売1.500円 学生前売(大学生以下)1.000円 当日券各500円up

【出演】
遠藤頌豆(尺八) 賛助出演:池田智子(ピアノ)

【主催/チケット問合せ】
ムジカ♪フローラ(088-844-7646)

【チケット】
高新プレイガイド088-825-4335/高知大丸プレイガイド088-825-2191/高知県立県民文化ホール088-824-5321/美術館ミュージアムショップ088-866-8118/高知市文化プラザ・ミュージアムショップ088-883-5052/楽器堂OPUSCLUB088-802-2555/楽器堂OPUSイオンモール高知店088-826-7633/楽器堂OPUS本店1F管弦ピアノフロア088-824-1853

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ところで先週土曜日は練馬区立春日町図書館へ。

ここは僕が図書館コンサートを企画プロデュースさせて頂いている図書館です。

17日(金)のコンサートのポスターを見つけました。

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既に満員御礼です。
有難いです。

……ところで、先週土曜日に春日町図書館に伺ったのは春日町図書館ビブリオバトル部に参加するためです。

(ちなみに、ビブリオバトルというのは好きな本を各自プレゼン&質疑応答して、どの本を読みたくなったか決める書評バトルです)

僕は今までに様々なビブリオバトルに30回以上は参加していますが、ここ春日町図書館ビブリオバトル部が最も楽しいビブリオバトルの1つです。

普段ビブリオバトルに参加していると「バトルに勝ちたい」と思ってしまうのですが、ここではバトルよりも部員どうしのお喋りが楽しいので、勝ち負けがあまり気にならないところが魅力です。

ちなみに今回はフリーテーマで、各自好きな本を持ってくるという形で行われました。

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フリーテーマで好きな「本」という事で、天邪鬼な僕は映画のパンフレットを持っていきました。
冊子状に綴じられていれば「本」だろう・・・という事で。
5分間のプレゼンタイムは、本のことより、ほぼ映画についてのプレゼンになってましたけどね……。

ちなみに今回のビブリオバトルで紹介された本(10冊)は下記です。

「新しい『マイケル・ジャクソン』の教科書」西寺郷太/著(新潮文庫)
「スプーンと元素周期表」サム・キーン/著、松井信彦/訳 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
「ウォールフラワー」チョボウスキー・スティーヴン/著、小西 未来/訳(アーティストハウス)
「疾走」重松清/著(角川文庫)
「珈琲時光」映画パンフレット(松竹株式会社)
「私のなかの彼女」角田光代/著(新潮社)
「残穢」小野不由美/著(新潮社)
「エリック・ホッファー自伝―構想された真実」エリック・ホッファー/著、中本義彦/訳(作品社)
「故人サイト」古田雄介/著(社会評論社)
「一本の鉛筆から」丹下健三(日本経済新聞社)

そしてチャンプ本は「エリック・ホッファー自伝」でした。

次回ビブリオバトル部の活動は9月頃を予定しています。
練馬区民でない方や学生でも誰でも自由に参加できます。

しかも次回は「図書館という場所を生かして、その場で本を探してきてビブリオバトルをしたら面白そう」と盛り上がりました。
実現したらとても楽しそうなビブリオバトルになりそうです。

次回の開催が近づいてきたら、またこのブログで詳細をアップさせて頂きます。


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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は6月13日。
読んで頂きありがとうございました。



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by mamesyakuhachi | 2016-06-13 00:01 | 尺八と生活 | Comments(0)


先週の土曜日は山梨県甲州市にある塩山図書館の「知的書評合戦ビブリオバトルin塩山8」に参加してきました。

こちらの図書館には以前から仲良くさせて頂いている司書の方がいらしゃって、その繋がりで参加しました。

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こちらが塩山図書館の入っている甲州市民文化会館です。
この建物の左側が塩山図書館になっています。

ちなみに敷地内にあるバス停。

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やはり甲州なので、ぶどうがマスコットになっています。

そして図書館の入口はこちら。

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土曜日の夕方とあってか、館内は家族連れや自習に励む学生さん達が沢山来館されていました。

ビブリオバトルの開始は17:30から。
今回のバトラー参加者は五名。
僕以外は小学生~大学生といった顔ぶれ。
社会人は僕だけなので緊張もひとしおでした。

控室で順番をあみだくじで決めて、いざ本番です。(ちなみに出番は最初でした。)

今回僕が紹介した本は、『名人伝(「山月記・李陵」より)』中島敦(岩波文庫)です。

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白熱するバトル。
事前にしっかりと喋る内容を暗記して、淀みなくプレゼンをこなす小学生たち。
好きなお笑い芸人の本を気持ちをこめて発表する中学生。
あたたかな物語を優しい語り口で紹介する大学生。

30名を越えるお客様(雨天にも関わらず過去最高の来客数との事です)もバトラー参加者の発表を熱心に聞いて下さいました。
(なお今回紹介された他の4冊は『リリコは眠れない』高楼方子/あかね書房、『人生はワンチャンス!』水野敬也/文響社、『夜、眠る前に読むと心が「ほっ」とする50の物語』西沢泰生/三笠書房、『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』厚切りジェイソン /ぴあ書籍)

5名の発表を終え、投票の時間です。

はたして結果は・・・。

なんと・・・・

チャンプ本になりました!

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過去20回くらいビブリオバトルに出場していますが、観客有のビブリオバトルでは今回が初めてのチャンプでした。

ちなみに上記画像で僕の左手にある本は中島敦の現代語訳版との事。
中島敦が訳される時代なんですね・・・。
個人的にはそっちの方が凄く読みたい。
(書籍の詳細は「山月記 (スラ読み! 現代語訳名作シリーズ) 」中島敦/著、小前亮 /訳です)

そして終了後は司書の方から贈り物が・・・

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気になる中身は・・・

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画像では分かりにくいですが、一枚一枚のカードに観客の方々のコメントが書かれているんです。

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こんな風に。

コメントの中には「とても楽しくお話しを聞かせて頂きました。ぜひまた来てください。」という嬉しいお言葉もありました。

はい!また来ます。ディフェンディングチャンピオンとして!

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は2月29日です。
読んで頂きありがとうございました。


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by mamesyakuhachi | 2016-02-22 00:01 | 中島敦 | Comments(0)

お知らせを一件。

僕が部員として所属している練馬春日町図書館ビブリオバトル部のご案内です。

(ちなみにビブリオバトルとは、テーマに沿った本を1冊持ち寄って発表し、読みたくなった本を参加者で決める書評ゲームです。)

見学のみでも大丈夫です。
本が好きな方も、本をあまり読まない方も、どなたでも気軽にご参加頂けます。

以下詳細です。

【日時】2015年7月20日(月・祝) 14:00~
【場所】練馬区立春日町図書館 2階会議室(都営大江戸線・練馬春日町駅直結、HP
【料金】無料
【テーマ】夏休み

ご参加お待ちしています。

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今週は最近読んだものを何冊か。


「詩のこころを読む」茨木のり子/著(岩波ジュニア新書)

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本のジャンルの中で最も苦手なのが「詩」なんです。
たまには読むのですが、難しい世界だな・・・と思ってました。
本書は勧めて頂いて読んだ本なのですが、ジュニア新書なので読み易く、優れた入門書でした。
著者の詩への愛情が随所に感じられ、ひしひしと詩の魅力が伝わってきます。
読了後は石垣りん、金子みすゞ、岸田衿子の作品を読んでみたいと思えるようになりました。


「友達・棒になった男」安倍公房/著(新潮文庫)

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とある一人暮らしの男のアパートに転がりこんできた不思議な家族。
その一家は善意を振りかざしてアパートに居座ろうとします。
悪気がない善意は怖い。扱いに非常に困ります。
安倍公房の描く不条理な世界は虚構の中に妙な現実感があって、読むといつもハラハラします。


「悲しき玩具」石川啄木/著(角川春樹280円文庫)

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まず装幀が気に入りました。そして、巻末エッセイが好きな歌人・枡野浩一で、しかも280円。
この280円シリーズは近代文学を中心として、芥川龍之介や与謝野晶子、有島武郎などもあり、装幀も綺麗で揃えたくなります。
ちなみに太宰治もあって、巻末エッセイは、なんとピースの又吉直樹さんです。


「西の魔女が死んだ」梨木香歩/著(新潮文庫)

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1994年に単行本が発売され、100万部を越えるベストセラーとなった本書。
読んでみたら、泣いてしまいした。
(泣いたシーンを読んでいたのが自宅でほんとに良かった・・・。人前だとやはり恥ずかしい・・・。)
人の死をこんなに暖かく描くなんて・・・、と思いながら落涙の中で読了しました。


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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は7月13日です。
読んで頂きありがとうございました。


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by mamesyakuhachi | 2015-07-06 00:01 | 複数著者など | Comments(5)

昨日は中野区立江古田図書館の知的書評合戦ビブリオバトルに参加してきました。

今回なんと特別賞「江古田げんき賞」を頂きました!

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僕の紹介本は『ぼくのともだち』エマニュエル・ボーヴ/著、渋谷豊/訳(白水社)でした。

とっても盛り上がりました。楽しかった。

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では、今週から全5回の予定で、このブログの特別企画「オススメ本を教えて下さい」の第1回目の感想を投稿したいと思います。

『その日ぐらし 江戸っ子人生のすすめ』高橋克彦、杉浦日向子/著(PHP研究所)

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この本は作家・高橋克彦と漫画家・杉浦日向子による対談集です。
僕にとって本書は「キーワード本」でした。

著者お二人の共通項は江戸。
前半は江戸っ子(特に町人)の自由気ままな生活ぶりについてが話題の中心です。
江戸っ子たちは悠悠自適。持ち家は持たず身軽な借家住まい。働くのは1日4時間位(う、うらやましい・・・)。朝から飲んで、いつもほろ酔い加減、などなど。呑気な江戸っ子たちです。
本書の前半は、そのようなトリビア的要素を盛り込みつつ対談が進み、江戸の日常を語り合っていきます。
後半に行くにつれ、少し専門的な話題も登場して来ます。

例えは、浮世絵、新聞錦絵、怨霊信仰。

その中で「浮世絵」がキーワードとして引っかかりました。
浮世絵について杉浦日向子が語った言葉が印象的だったんです。
引用します。

『晩年の北斎がスケッチをしていて、「俺は猫一匹満足に描けない」と漏らした。この「生涯精進」のエピソードはとても印象深い』

浮世絵の大家、北斎の意外な言葉。
名人をして、そう言わしめる浮世絵とはどんな世界なんだろう。覗いてみたい。
そんな気持ちになり「浮世絵」をキーワードとして、関連本も読んでみました。

『浮世絵鑑賞事典』高橋克彦/著(講談社文庫)

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この本は高橋克彦による浮世絵入門書です。
浮世絵の創始者、師宣(もろのぶ)から始まり、幕末、明治初期までの主だった浮世絵師59人についての出自や人物像、作品紹介がされています。実際の作品も沢山掲載されており、内容は非常に充実しています。

そして何より好感を抱いたのは著者高橋克彦の浮世絵に対する姿勢です。本文を引用します。

『絵を理解する。そのためには知識は必要ではない。/大切なのはその一枚の絵が自分にとって好もしいものであるか、否かということで、それを見きわめるものは知識ではない。純粋にその絵が与えてくれる感動であり、美しさである。』

高橋克彦は浮世絵を歴史解釈の側面だけではなく、むしろ絵画として、人の心を動かす芸術作品として捉えています。
僕はこの考え方がとても好きです。

読み進めるうち、浮世絵を殆ど知らない僕にも好みの浮世絵ができました。
(浮世絵は著作権が切れているので添付します)


歌麿「青楼閣十二時 丑の刻」

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投げ出された草履から、遊女のけだるさや寂しさを感じます。


長喜「雪中秋色女」

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雪の降る様が美しく、そして、作中の二人の関係に想像を掻き立てられます。

『浮世絵鑑賞事典』を読み終え、そして、もう一度『その日ぐらし』を読みました。
すると、ある事を考えました。

それは『その日ぐらし』の表紙についてです。
『その日ぐらし』はハードカバー版が1991年発行で文庫版が1994年発行(PHP文庫)なんですが、文庫版になると表紙が変わっているんです。

ハードカバー版は冒頭に掲げた画像の通りなんですが、文庫版は下の画像の通り、少し緊張感のある表紙になっています。

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再読してみると、その変化に何となく合点がいきました。

この『その日ぐらし』は文庫版表紙の写真のように、水面に一滴の雫が落ち、その波紋が出発点となって、広がっていく本なのではないか、と思いました。

一滴の雫は、言い換えれば一つのキーワードであり、その波紋は未知の世界への入口に繋がります。
心のなかに一つの波紋を作っていると、それをもとに価値観が様々にリンクしていきます。
『その日ぐらし』は一つの言葉、一つのキーワードをもとに主体的に読み込んでいける本だ、と感じました。

ご紹介頂きました方、誠にありがとうございました。

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今週はこれにて以上です。

このブログは毎週月曜日に更新。
次回は6月8日で、『やさしい訴え』小川洋子/著(文藝春秋)の感想を投稿します。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2015-06-01 00:01 | 複数著者など | Comments(0)

昨日は練馬区立春日町図書館のビブリオバトル部に参加してきました。
・・・って、ビブリオバトル部とは何?
という方の為に説明しますと、ビブリオバトルというのは発表参加者がオススメ本を1人5分で紹介して、どの本が読みたくなったかを競う書評バトルです。
そして春日町図書館にはビブリオバトルをする部活があり、僕はそこの部員なんです。

感想はめちゃくちゃ楽しかったです。
皆さんのオススメ本やそれに関する派生本たち。「こんな本知らなかった!読みたい!」の連続。
発表者の人生観や考え方から語られる一冊のお話は「この本が好き!」という気持ちに支えられているので、すごく伝わってきます。

ちなみに春日町図書館のビブリオバトル部は部員募集中で、どなたでも参加自由です。

次回は夏頃の開催予定。
また、このブログでも紹介したいと思います。

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コンサートのご案内を一件。ちょっとだけ参加予定です。

5月9日(土)
【えりか祭り... 躍るアホウ】《アラブ・トルコの夜》

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〈日時〉5月9日(土)開場19時00/開演19時30分
〈出演者〉音楽家:タケザワエツコと仲間たち
笠松泰洋(p.ズルナ、メイ他)和田啓(perc.)竹澤悦子(箏、三味線、歌他)
あらた真生、上田舞香、奥田純子、OBA、白井さち子、JOU、高原伸子、武元賀寿子、HIRO、和中 . . . 他、ダンス: まだ色々、、
〈料金〉当日2,500円(3部構成予定、パフォーマンスのち1時間交流会)
〈場所〉公園通りクラシックス/渋谷区宇田川町19-5東京山手教会B1F(渋谷駅徒歩5分)

ちなみに僕はちょっとだけ参加予定です。
予定調和なし、何が飛び出すかは当日になってからのお楽しみ。

ご予約は会場のホームページからどうぞ。

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最近読んだものを3冊。
小説やエッセイなどなど。


いしいしんじ「トリツカレ男」(新潮文庫)

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本を物色する際に、タイトル→装丁→書き出しをチェックします。
この3つが好みであれば、ほぼハズレがないです。
「トリツカレ男」に出会ったのもそんないきさつ。

ちなみに書き出しはこちら

『ジュゼッペはみんなから「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれている。
一度なにかにとりつかれちゃうと、もう、ほかのことにはいっさい気がむかなくって、またそのとりつかれかたが、そう、ちょっと普通じゃないんだな。』

冒頭を読んだだけで物語に惹き込まれました。
引っ掛かる部分がある方、必読です。



中村文則「教団X」(集英社)

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中村文則の作品は「掏摸」や「銃」など僕の好きなものが多いです。
この作家は徹底して人間の「悪」について書いています。
本書「教団X」は昨年末刊行の最新長編であり、人間の闇の部分を強くえぐり出すように書いています。

読書中は少し苦しかったです。
登場人物たちの「悪」の部分(暴力や洗脳、支配、欲望など)に自分の闇を見るようでした。

物語は暗いトーンのまま続くかと思いましたが、最後の最後に光が描かれています。
その光は絶望の中でも他人を励ます一人の登場人物の姿でした。それに心を打たれ、勇気を貰う一方で、でも、なぜ著者は希望を書いたのかについて引っ掛かりました。
著者が描く絶対的な「悪」はいつの時代でも普遍的に存在する圧倒的な闇です。それでもまだ希望を捨てずに励まし続ける登場人物の言葉は陳腐で安易な励ましではないはずだと考えながらも、はっきりした答えは出ませんでした。

いつかまた再読したい作品です。



浅生ハルミン「猫座の女の生活と意見」(晶文社)

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妄想が織りなす魅惑のカオスワールドです。
古本と猫を愛する著者浅生ハルミンが過去(1994年~2008年)に発表したエッセイと読書日記をまとめた本です。

特に読書日記の選書は個性的。
青少年向けのおまじない本「霊感少女入門」やノストラダムスの大予言を彷彿させる「SOS地底より」、極めつけは他人の家計簿「明るいくらしの家計簿1962年」など…。
珍本奇本ばかり。
著者にとっての「本」は「紙を冊子状に束ねた物」という認識であり、それであれば何でもあり。
浅生ハルミンワールドにどっぷり浸かれば蟻地獄のようにズルズルと引き込まれます。


今週はこれにて以上です。
毎週月曜日に更新。
次回は5月4日。
読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2015-04-27 01:35 | 複数著者など | Comments(2)

先日の2/7(土)は山梨県甲州市の塩山図書館にて演奏してきました。

塩山図書館の司書の方とのご縁で、知的書評合戦ビブリオバトルの前に尺八のミニコンサートをさせて頂きました。
以前からコンサート&ビブリオバトルをしたいと思っていたので目標が実現しました。

終演後の一枚。ビブリオバトルの出場者&司書の方々と。

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そして今回のコンサートにお客様として駆けつけて下さった作家の上原隆さんと。

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手に持っているのは僕の紹介本。

穂村弘/東直子/沢田康彦「ひとりの夜を短歌とあそぼう」(角川ソフィア文庫)

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今回のビブリオバトルの出場者は僕を含め5名でした。
それぞれの紹介本は

「虹色ほたる」川口雅幸/著
「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました」出雲充/著
「芭蕉紀行」嵐山光三郎/著
「ふたつの月の物語」富安陽子/著(←チャンプ本)

出場者の皆さんが熱意をもって発表されていて、どの作品も「読みたい!」と感じました。

終了後は打ち上げへ。いつ果てるとも知れない本談義。
図書館司書の方や小学校の司書の方、自宅に書庫をお持ちの方や自分を見つめる為に読書をしている方。
みなさんとても素敵な方たちばかりでした。

とても楽しい一夜でした。

今日はこれにて以上です。
毎週月曜日に更新。次回は2/16です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2015-02-09 02:20 | 尺八と生活 | Comments(0)

先週月曜日は中野区立江古田図書館にて知的書評合戦ビブリオバトルに参戦しました。

テーマは「50年後に残したい一冊」

発表者は5名で結果は1位になれませんでした。(2位以下の順位は敢えて聞かなかったので不明です)

紹介本は又吉直樹「第2図書係補佐」(幻冬舎よしもと文庫)
・・・ですが、実はギリギリまで古井由吉「杳子」(新潮文庫)を紹介しようと思っていました。

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「杳子」は硬質な悲しみをたたえた小説。読むと陰湿な影に入りこんでしまいます。
僕はこの作品の悲しさの中に、どうしても入り込めない他人というものや、世の常識からズレてしまう時の生きづらさを感じます。
美しさと影を感じる著者の文章、そして作品に常に流れる緊張感と固有名詞を避けた展開。
それをどう解釈すれば良いか、分からないながらも探り当てたいと思いながら読みました。(自分の解釈が50年後にはどう変わるだろう、という気持ちも込めたかったんですね)
しかしながら、今の僕では
「杳子」を捉えきれず直接紹介するのは結局憚られました。そこで「杳子」を紹介していた「第2図書係補佐」を取り上げました。(直接紹介するのは無理でも間接的に50年後に残す事はできるだろうと考えたんです。)

「第2図書係補佐」で又吉さんは自分の元恋人との思い出に密やかな悲しみを織り込んで「杳子」を紹介していました。「杳子」の魅力が伝わる文章に託したという感じです。

そんな経緯があったものの、5分のプレゼンでは自分の辿った道筋や二つの本の魅力を上手く伝えられませんでした。時間の使い方に自己反省です。

やや後悔が残る今回のビブリオバトルでしたが、他の発表の中で一冊の本との出会いがありました。
今日はその本を取り上げます。

パウロ・コエーリョ「アルケミスト」平尾香/画、山川紘矢・山川亜希子/訳(角川文庫)

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【あらすじ】
羊飼いの少年サンチャゴは旅の途中で「セイラムの王様」と名乗る老人に出会う。王様は運命を生きよと少年に語りかける。やがて少年は全てを捨てて自己の運命、そして内なる心の声と共にエジプトに旅立つ。


僕はビブリオバトル後に一旦図書館を出たものの、何だか心に引っかかりを感じ、この本を借りる為に踵を返しました。
自宅に帰り読み始め、すぐに話に引き込まれました。
この物語は夢を追い続けること、そして運命を信じることについて書かれた本です。

気になった文章を引用します。

『僕は本当は十年も前に始められたことを、今やり始めたのだ。二十年間も待たなかっただけ、少なくとも僕は幸せだよ』
『「マクトゥーブ」と商人が最後に言った。「それはどういう意味ですか?」(中略)「それは書かれている」という意味さ』
『おまえが自分の内にすばらしい宝物を持っていて、そのことを他の人に話したとしても、めったに信じてもらえないものなのだよ』
『傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。』
『彼のやり方は僕とは同じではなく、僕のやり方は、彼のやり方と同じではない。でも僕たちは二人とも、自分の運命を探求しているのだ。だからそのことで僕は彼を尊敬している』

夢を見ること、信じることの素晴らしさを描いた作品。世界中で愛読されています。

そして、この作品を今回のビブリオバトルで紹介されていたのは40代男性、図書館司書の方でした。
その方が伝えたのは、この本にまつわる奇跡でした。
男性のご友人のもとに実際に起きた奇跡。創作である「アルケミスト」が実話になり得た事を語られていました。
どういう奇跡か、ここで詳細を伝えたい所なんですが、紹介されていた方の大切な思い出なので、詳しくは伏せたいと思います。

ごく簡単に言えば、「アルケミスト」との出会いから、数年後に夢を叶えたご友人のお話でした。

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夢を叶えるのって本当に難しいですよね…。
夢を追いかけるという事が大人になればなるほど如何に難しいかは想像できると思います。

僕は「夢を追うことは素晴らしい」とは思いこそすれ、それを自分に素直に当てはめたり他人に吹聴したりは出来ません。
常に現実に引き戻されるし、「いい年して・・・」とか「現実みなよ」とも言われるし、たとえ言われなくても周囲からそう思われているんじゃないかと考えるとやはり怖いです。

この「アルケミスト」はそういった人間の複雑さや脆さを知りながらも、物語としてシンプルな1つの道筋を照らす作品だと思います。

紹介された男性が一番好きな文章として以下の文章を引用されていました。

『おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ』

司書の男性も、夢を叶えたご友人もきっとその言葉に支えられてきたのだと思います。

夢を追いかけて情熱を燃やし続ける事は本当に難しい事です。
あと1日頑張れば、あと1歩踏み出せば頂上に着くかもしれない。でも闇の中は非常に恐いものです。

それを分かった上で、そして年齢と比例して否応なく増していく複雑さを払いのけて、敢えてシンプルに伝える言葉には感動的な響きがありました。

一冊との出会いに感謝です。

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本には個人的な思い出が閉じ込められています。
それが限定的であっても、いや限定的であるからこそ、感情や温度や熱の強さがあります。

それに触れたとき「繋がった」と感じます。
僕もそんなささやかな繋がりを音楽や本を通して伝えたいです。

僕のこれからの人生も、もしかすると『マクトゥーブ』なのかもしれません。

どんな物語なのか続きを気長に楽しみたいと思っています。

今日は長くなりましたが、これにて以上です。

更新は毎週月曜日。
次回は10月17日です。
読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-11-10 01:00 | パウロ・コエーリョ | Comments(3)

『通天閣』西加奈子/著

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江古田図書館での知的書評合戦ビブリオバトル。
ビブリオバトルは初参戦。緊張しました。

友達の話を引き合いに出して、そこから小説とリンクさせて・・・みたいな書評にしました。

参加を終えた感想は・・・とっても楽しかったです!思い切って参加して良かったです。

館長さんや司書の方々、バトラーさんや観客の方々、みんな本好きの方ばかり。
その雰囲気だけで嬉しくなります。

特に江古田図書館の館長さんや司書の方々は本にかける並々ならぬ情熱があって、一緒に書棚を作ってみたい気持ちになります。
(僕の素人妄想ですが、一つの思いや感情をテーマにそこから派生していく様々な本をジャンルを取り払って並べてみたい…)

ほんとに本が好きなんだなぁっていう気持ちが一体になった会場。最高でした。

ところで、結果です。

上の写真で手にしてるのは賞状です。

なんと特別賞を頂きました。

「江古田げんき賞」

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チャンプ本にはなれませんでしたが、とても嬉しい特別賞です。

今日の本はビブリオバトルで紹介した小説です。

西加奈子「通天閣」(筑摩書房)

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馬鹿馬鹿しいけど真面目。嘘だけど真実。影であり光。

それが渾然一体となって放たれる通天閣のネオン。

そのネオンは泥臭くて垢抜けないけど、暖かな感情のある光です。
その通天閣を舞台に繰り広げられる男と女とオカマの物語。

それぞれの物語が交錯したり、すれ違ったり、寄り添ったりしながら展開します。

好きでもないオカマに愛の告白をするハメになる男。
その告白で救われるオカマ。
受け身の人生を捨て、自分の人生を歩み始める女。

それぞれがやり場のない痛みを抱えながらも、再生していく物語。
通天閣は今日もギラギラした日立のネオンを輝かせながら大阪の街を見守っています。

「アホやなぁ。でも、そこがめっちゃええやん」

そんな優しい気持ちになれる本です。

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バトラーとして参加しても、観客として参加しても楽しめるビブリオバトルです。
ぜひ多くの人に参加して欲しいです。

そして個人的には、ビブリオバトルや本が自分の音楽活動の一つの方向性になると良いなと思っています。

今日はこれにて以上です。

更新は毎週月曜日。

次回は6月2日です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-05-26 10:16 | 西加奈子 | Comments(4)