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見て下さい。
この可愛らしい展覧会のチラシ。

来月10月1日(土)から東京・丸の内の出光美術館にて始まる「大仙厓展」のチラシです。

ちなみに仙厓(せんがい:1750-1837)とは日本最古の禅寺である博多聖福寺の住職をつとめていたお坊さんで、上掲のチラシにあるような笑いとユーモアにみちた書画を沢山残しています。

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私は数年前に友人から仙厓の作品を教えてもらい、一目でファンになりました。

そしてこのたび、嬉しいことに「大仙厓展」が来月から開催されるのです。

しかも今回は国内3大コレクション(出光美術館、福岡市美術館九州大学文学部 )が30年ぶりに集まる展覧会になっているようです。

これは絶対に行きたい。

いやもう、すぐにでも。

皆さんも是非行ってみましょう。

開館50周年記念 大仙厓展 禅の心、ここに集う

《会期》2016年10月1日~11月13日(日)
《開場》出光美術館(HP)東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9階(グーグルマップ
《開館》10:00~17:00(最終入館16:30)※金曜日は~19:00(最終入館18:30)
《休館》月曜日(ただし10月10日は開館)
《料金》一般1000円、高・大生700円(団体20名以上、各200円引き)、中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要)※障がい者手帳をお持ちの方は200円引き、その同伴者1名は無料

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今週は「展覧会」にちなんで美術に関する本を紹介します。
(このブログで過去に取り上げた本を中心に紹介します)


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「芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本」藤田令伊(秀和システム)

この本。
第一印象はあまり良くなかったんです。
タイトルが安直すぎるだろうと思ったからです。
しかしながら目次をチェックしてみると

『第二章 04 「正しい」「間違っている」から解放される』
『第三章 05 展覧会のキャッチフレーズに踊らされない』

など意外に興味深い目次が。
読み進めてみると美術に対して抱いていた先入観(この作品はこう見なきゃいけない、わかる・わからないで判断しない等)を取り除いてくれます。
同じ著者の「現代アート、超入門!」も良書で、難解な現代アートを楽しむヒントを与えてくれます。


続いては海外文学から1冊。

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「月と六ペンス」サマセット・モーム/著、厨川圭子/訳(角川文庫)

なんてオシャレなタイトルなんだろう、と思って手に取った小説。

この小説に登場する画家のストリックランドという人物は画家のポール・ゴーギャン(1848-1903)を下地にしたと言われています。

天才ストリックランドと、彼を支えようとする三流画家ストルーヴ。
その二人を軸に物語が展開し、二人の関係性(嫉妬や羨望)はフィクションを超えた現実味があります。

ストリックランドの存在が引き金となり、ストルーヴに起きる悲劇。
それでもなお、才能への敬意を捨てきれないストルーヴ。

芸術に心を奪われた二人の画家の生涯を描いた約100年前の小説です。



続いては日本の小説から。

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「楽園のカンヴァス」原田マハ (新潮文庫)

元キュレーターで作家の原田マハの長編小説。
表紙の絵はアンリ・ルソー(1844-1910)の「夢」(ニューヨーク近代美術館所蔵)です。

この小説はこの名画を巡るミステリー仕立てになっています。

「夢」に秘められた謎と、名画を巡る水面下の陰謀。
そして次々と明らかになる「夢」に込められていた物語。

読み止まらぬストーリーの面白さに加え、一枚の絵に対峙し歓喜と衝撃を覚えるシーンの描写力は素晴らしいです。



最後に紹介するのは現代美術家のエッセイ。

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「見えない音、聴こえない絵」大竹伸朗(新潮社)

日本を代表する現代美術家の大竹伸朗によるエッセイ。
60歳の現在も旺盛な創作活動をされています。

本書で大竹伸朗は創作にむかうまでの衝動や動機、そして作品と展覧会に込める気持ちについて綴っています。
少し難しめのエッセイという印象ですが、文章から溢れる熱量は創作にかける情熱を感じさせます。

『興奮』がいつのまにか『つじつま合わせ』にすり替わることはよくあることだ。答えは合っているが面白くないということは往々にしてあることで、あまりにジャストなギャグは笑いの反応が少ないことにもどこか似ている。

それまで経験しえなかった出来事が誰かの内側で起きてしまうその瞬間、そこに僕は『芸術』というものの核を見る。

ありがちな前提を疑い、再構築していく姿に刺激されっぱなしの一冊です。

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ただ今、9月下旬。
芸術×読書の秋。
鑑賞して読書して。
感性を刺激される秋なんていかがでしょうか。

今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は10月3日です。
読んで頂きありがとうございました。







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by mamesyakuhachi | 2016-09-26 00:01 | 複数著者など | Comments(0)



先週金曜日は私が企画・プロデュースを手掛けている練馬春日町図書館のシリーズコンサート第六弾でした。

今回はマンドリンの竹間久枝さんとギターの益田正洋さんのお二人のステージ。

ちなみにポスターはこちらです。

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毎回すぐに満員になってしまうコンサートシリーズで今回も数日で満員になりました。


公演本番は約1時間のステージ、お二人の演奏と私遠藤がブックトークを担当しました。

ところでマンドリンのプロ奏者は非常に少ないそうです。
今回は数少ないプロ演奏家の竹間さんにご協力頂けて本当に幸運でした。

そして、ギターの益田さんもプロ奏者です。
なんと12歳の頃に全国コンクールでの優勝(当時の歴代最年少記録)を果たした実力派です。
ちなみに今年はリサイタルをされるそうです。

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なお、春日町図書館のシリーズコンサート「夜の音楽会」、次回は12月中を予定しています。

出来る限りこちらのブログ等でもお知らせしたいと思っておりますので、ご興味のある方は是非お越しください。

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今週の本です。

最近読んだ三冊を紹介します。

どの本も最高に面白いです。



「へろへろ  雑誌『ヨレヨレ』と『宅老所よりあい』の人々」鹿子裕文(ナナロク社)

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福岡にある宅老所よりあい。
老人介護になんて特に関心もなかった著者(本業は編集者)が、あれよあれよという間に新規老人ホーム建設の主要メンバーに。
その顛末を描いたエッセイ風ドキュメントです。

よりあいの超個性的なメンバー(ご老人たちも職員も)と共に、時には親交のある谷川俊太郎まで巻き込んで新規老人ホーム建設に奔走する著者。
その姿を通して、介護することや施設で暮らすことについて考える一つの助走にもなります。

理想論だけでは立ちいかない現場の空気と、よれよれになりながらも進んでいくスタッフたちから元気を貰える一冊です。




「ガケ書房の頃」山下賢二(夏葉社)

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京都市左京区で2015年の3月に閉店した書店「ガケ書房」。

頻繁に雑誌等でも取り上げられていた有名な書店で、選書のセンスやお店の雰囲気の良さは噂で聞いたことがあります。
本書の著者はそのガケ書房の元店主です。

自分好みの書店を作るために奔走しながら、お金のやりくりに苦心する姿は非常にリアル。
一定数のファンがいそうな「ガケ書房」でさえ経営が楽ではなかった事を知ると、改めて書店経営の難しさを感じました。

(ちなみに著者・山下さんは閉店後にホホホ座というお店にて書店業に関わっています。新たなお店の形を模索しながら現役で活躍されているようです。 )



「さくらえび」さくらももこ(新潮文庫)

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さくらももこのエッセイはいつも笑えて、ちょっと暖かい気持ちになります。
それは「ちびまる子ちゃん」でもそうであるように、笑いと滑稽さの中に、家族の大切さや人の繋がりの暖かさを描いているからだと思います。

本書の中で読むたびに泣いてしまうのが「あの日の奈良」というエピソード。

さくらももこがデビューする直前の19歳に奈良で描いた一枚の色紙。
無名だったさくらももこの色紙を大切に保管していたお茶屋さんのご夫妻。
16年の時を経て、さくらももこは色紙とご夫妻に再会します。

「漫画家としてデビューする5日前の気持ちは、自分の人生がこれから一体どうなってゆくんだろうという、大きな希望と少しの不安があったけれど、とにかくがんばろうと思っていた。そして、このお店で初めて色紙を描きながら『何年か後に、今描いているこの色紙を、みんなが喜んで見てくれるようになっているといいな……』と思っていた。」

想いが叶った人、それを支えてくれる人、その足跡にふれる人。
それぞれが暖かな気持ちになる。
そんな素敵なエッセイです。

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は9月26日です。

読んで頂きありがとうございました。








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by mamesyakuhachi | 2016-09-19 00:01 | 複数著者など | Comments(0)


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ワイハ。それはハワイです。

おそらく大多数の人が知っている言葉ですが、通常の国語辞典では掲載されていない事もあります。

今週紹介する1冊目は業界用語や俗語、隠語を集めた一風変わった辞典です。

「集団語辞典」米川明彦編(東京堂出版)

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この辞典は特定の集団や組織でのみ有効な言葉たちを集めた辞典になっています。

上記の「ワイハ」の他にこんな言葉も。

げっく〔月九〕《テレビ》
「月曜九時」の略。「月九のドラマ」などと使う。

とっこう〔特攻〕《暴走族》
暴走族の先陣を切る単車隊で、他の暴走族グループにのりこんでいくけんか隊。

とりせつ〔取り説〕《電気》
「取り扱い説明書」の略。


などなど。上記の言葉たちは知っている方も多いと思います。

ただ本書の大部分は初めて知る言葉ばかり。

たとえば

さあじい《不良》
老人。おじいさん。「じいさん」の倒語。「さまじい」「ちゃんじい」「やんじ」とも。

にのじ〔二の字〕《デパート》
トイレ。松屋・東武百貨店での隠語。「便所」の二字の言い替えか。

ぽんチャージ《運送》
食事。ポンポンを満たす(チャージ)から。

チャイコン《音楽》
「チャイコフスキーのコンチェルト」の略。

などなど。


この辞典を使えば業界人気取りも夢ではありません。
(ちなみに、web上ではとても紹介できない言葉も沢山掲載されています……)

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続いて、二冊目はこんな辞典。

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「世界名言・格言辞典」モーリス・マルー著、島津智訳(東京堂出版)

この辞典はタイトル通りですが、世界中の名言や格言、警句などを集めた辞典になっています。

「愛」「学問」「秘密」……など表題別に沢山の名言が紹介されています。

本書から少し笑える名言をいくつか紹介してみます。


たとえば「夫と妻」に関するものから3つ。

【フランス】
高貴な心の持ち主は、妻のすることを問いただすべきではない。

【スペイン】
女房に川を飛び越せと命じられたら、それが小さな川であるように神に祈れ。

【ロシア】
犬は女房より分別がある。主人には吠えない。


つづいて「事物や運命のいたずら」から2つ。

【イギリス】
パンを落とすと、きまってバターを塗った側が下になる。

【タイ】
はげ頭が櫛を拾う。


最後に「女と嘘」から1つ。

【ギリシア】
女の言うことは、たとえ真実を語っていても、決して信じるな。


世界の名言で人生を豊か(?)にしてみましょう。

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は9月19日です。
読んで頂きありがとうございました。



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by mamesyakuhachi | 2016-09-12 00:01 | 複数著者など | Comments(0)



女性から男性に「その洋服、良いですね」と言うよりも「その洋服、わたし好きです」と言う方が喜ばれる。

らしい。

たしかに前者には使い古されたお世辞っぽさを感じるが、後者には具体性があり、さらに「わたし好きです」という男性が喜びそうなフレーズも入っている。

このフレーズを知ったのは漫画家でエッセイストの益田ミリの書籍。
何の作品だったか今や思い出せないのですが、益田ミリの作品には常に共感させる力があり、どの作品も面白い。


今週はそんな益田ミリの女性向けエッセイを取り上げ、人生の機微を学び、さらに男子力なるものを上げてみようと思います。

参考テキストはこちら

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「キュンとしちゃだめですか?」益田ミリ/著(文藝春秋)です。

この本では大人の女性が世の男性たちのどんな言動や仕草にキュンとするかを綴ったエッセイになっています。

本書で取り上げられているキュンとするポイントは全90項目。

その中から一般男性が実生活でも応用できそうな7項目を選び、初級~プロ級までの四段階に分けて紹介してみます。


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【初級:大多数の男性が今日からできるキュン】

「ドアを押さえててくれてキュン」(46頁)

これは分かる。解説不要でしょう。
日常でもチャンスは多いです。

「ありがとうにキュン」(14頁)

例えばエレベーターを降りるとき、開ボタンを押してくれている女性に、さりげなく「ありがとう」と言えること。いやこれは男女関わらず嬉しい。


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【中級:気遣いと記憶力も必要なキュン】

「覚えててキュン」(78頁)

過去にあったやり取りや会話で嬉しかったことを思い出し、改めて謝意を伝える事。
確かに嬉しい。でも誰にいつ言われたかきちんと覚えていないと墓穴を掘りかねないですね。

「年齢を忘れてくれてキュン」(88頁)

年下の男性から「若く見えますね」と言われるより「ぼくと同じ歳くらいじゃなかったでしたっけ?」と言われる方が嬉しい、との事。
「若く見えますね」はお世辞っぽいですが、「ぼくと同じ歳~」の方が確かにリアリティーを感じます。


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【上級:空気が読めてセンスが必要なキュン】

「『ぜ』にキュン」(80頁)

本書によると「行こう」と言われるより「行こうぜ」と言われる方が嬉しいらしい。
意図することは分かるものの、如何せん人を選ぶでしょうね。
ちなみに私は20代前半の頃、後輩の女の子に言って引かれた経験があります。

「『おいで』にキュン」(154頁)

著者いわく「若い女の子として見てくれているような感じ」がするとの事。
優しさを込めて言われたら確かに嬉しいでしょうね。
しかし使うのは勇気がいるし、これも人を選ぶ。そしてそもそも恥ずかしくて言えない。


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【プロ級:もはや意味不明で高レベルなキュン】

「ちくわ天にキュン」(100頁)

著者が仕事の打ち合わせの後に、仕事相手の男性とセルフうどんを食べに行く流れに。
その男性が「ぼくはトッピング、毎回、決まっているんです」と言って選んだのは「ちくわの天ぷら」。
著者はその時すかさず「かわいいっ」と思ったとの事。
意外性か、「ちくわの天ぷら」の語感なのか……。うーむ、まずそのシチュエーションがないな。


以上四つのレベルに分けて紹介してみました。

世の男性のみなさん、使えそうなものから実践してみましょう~。


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ここからは一つ耳より情報です。

新宿区中井にある伊野尾書店さんで「中井文庫」という文庫フェアを9月1日より開催中です。

このフェアは伊野尾書店さんと交流のある方々が、それぞれのオススメの文庫本を選書したブックフェアになっています。

今回は私もご縁があり、選書に参加しています。

(店長さんのブログに詳細が載っています→伊野尾書店WEBかわら版

地元店主、大学教授、システムエンジニア、放送作家、写真家、プロレスラー、バーテン、書店スタッフなどなど、様々な方々が選者として参加されている「中井文庫」。

10/31までの開催です。
お近くにお立ち寄りの際は是非足を運んでみて下さい。

【伊野尾書店・中井文庫2016】

《住所》東京都新宿区上落合2-20-6 グーグルマップ
《最寄駅》地下鉄大江戸線・中井駅A2出口を出て徒歩0分 西武新宿線・中井駅から徒歩1分
《営業時間》10:00-22:00(平日) 11:00-21:00(土曜) 11:00-20:00(日祝)
《定休日》年中無休(年末年始・棚卸日を除く)

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は9月12日です。

読んで頂きありがとうございました。







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by mamesyakuhachi | 2016-09-05 00:01 | 益田ミリ | Comments(0)