今年もあと3日。

ワクワクする年末もあと3日です。

今日は年の瀬らしく「今年一番印象に残った本」を紹介します。

今年は比較的たくさん本を読みました。
基本的に好きな本ばかり読むので、ジャンルに偏りがあるのですが、それでも「一番」となると決めるのが結構難しい・・・。

余談ですが、例えば人に「一番おすすめの本を教えて」と言われた時は迷います。
その人の趣味や考え方、本に馴れている度合いによっても薦めたい本は変わるし、「自分が好きな本」=「人に勧めたい本」ではない事もあります。
選書に迷いながらも、念頭にあるのは本を好きになって欲しいという事です。
全部読まなくてもいいし、好きな所だけ楽しむ読書もいい。
世界的名著や難しい理論書を無理に読む必要もないと思います。

読書が自由で楽しい時間であって欲しいです。

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佐野洋子「シズコさん」(新潮文庫)

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「よー子さん元気ですか?」
天国の佐野洋子さんに親しみを込めて「よー子さん」と僕は問いかけます。


偉大な作家の佐野洋子さん。
だけど、たぶん普段の佐野洋子さんはそんな雰囲気を少しも感じさせない人で、天性の素直さを持った人だと思ってます。

この本はそんな「よー子」さんと、認知症になった母親との事を書いたエッセイです。


「私は母が嫌いだった」というよー子さん。

「金で母を捨てた」というよー子さん。

ストレートでぶっきらぼうで少しそっけない。
でも、とてもやさしいよー子さん。

よー子さんの文章にふれるたび、よー子さんの本に出会えて良かった。って思います。

よー子さん元気ですかー?
僕は元気で何とかやってます~。


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今年このブログで紹介した本の一覧です。

【1月】
松本大洋「Sunny」(小学館IKKICOMIX)
角田光代/著、近松門左衛門/原作「曽根崎心中」(リトルモア)
さくらももこ「神のちから」(小学館)
吉本ばなな「アムリタ」(新潮社)
筒井康隆「最後の喫煙者」(新潮文庫)
稲垣足穂「一千一秒物語」(新潮文庫)
【2月】
上原隆「雨にぬれても」(幻冬舎アウトロー文庫)
土屋賢二「われ笑う、ゆえにわれあり」(文春文庫)
枡野浩一「石川くん」(集英社文庫)
【3月】
中島らも「心が雨宿りする日には」(青春出版社)
日本エッセイストクラブ編「耳ぶくろ」(文春文庫)
西加奈子「しずく」(光文社)
ユ・テウン/著、木坂涼/訳「きんぎょ」(セーラー出版)
吉永マサユキ「若き日本人の肖像」(リトルモア)
【4月】
益田ミリ「青春、手遅れ」(角川学芸出版)
中島らも「ガダラの豚」(集英社文庫)
デヴィッド・カリ、セルジュ・ブロック、 小山薫堂/訳 「まってる。」(千倉書房)
想田和宏「なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか」(講談社現代新書)
【5月】
穂村弘 「本当はちがうんだ日記」(集英社)
長谷川義史「ぼくがラーメンたべてるとき」(教育画劇)
みうらじゅん「とんまつりJAPAN」(集英社文庫)
能町みね子「雑誌の人格」(文化出版局)
フランソワーズサガン「悲しみよこんにちわ」(新潮文庫)
山田かおり「株式会社家族」(リトルモア)
澁澤龍彦「世界悪女物語」(文春文庫)
村上龍「イン ザ・ミソスープ」(幻冬舎文庫)
沢木耕太郎「深夜特急」(新潮文庫)
西加奈子「通天閣」(筑摩書房)
【6月】
渡邉良重(絵)高山なおみ(文)「UN DEUX(アン ドゥ)」(リトルモア)
穂村弘 東直子 沢田康弘「ひとりの夜を短歌とあそぼう」(角川ソフィア文庫)
村上春樹「風の歌を聴け」(講談社文庫)
ピエール・バイヤール/著、大浦康介/訳「読んでいない本について堂々と語る方法」(筑摩書房)
松田青子「スタッキング可能」(河出書房新社)
山下清「日本ぶらりぶらり」(ちくま文庫)
江口歩「エグチズム」(新潟日報事業社)
坂本大三郎「山伏と僕」(リトルモア)
ヘルマンヘッセ「庭仕事の愉しみ」(草思社文庫)
石田徹也「石田徹也遺作集」(求龍堂)
【7月】
小山田浩子「工場」(新潮社)
津村記久子「カソウスキの行方」(講談社)
武者小路実篤「友情」(新潮文庫)
ヘルマンヘッセ/著、松永美穂/訳「車輪の下で」(光文社新訳文庫)
サンテグジュペリ、野崎歓/訳「ちいさな王子」(光文社新訳文庫)
糸井重里「羊どろぼう」(Hobonichi Books)
阿部はまじ/文、平澤まりこ/画「森へいく」(集英社)
ラチー・ヒューム/作、長友恵子/訳「ゆうかんなうしクランシー」(小学館)
M.B.ゴフスタイン/作、末盛千枝子/訳「ゴールディーのお人形」(すえもりブックス)
【8月】
益田ミリ「すーちゃん」(幻冬舎文庫)
又吉直樹「東京百景」(ヨシモトブックス)
又吉直樹「第2図書係補佐」(幻冬舎よしもと文庫)
織田作之助「夫婦善哉」(新潮文庫)
エドワード・ゴーリー/著、柴田元幸訳「まったき動物園」(河出書房新社)
エドワード・ゴーリー「キャッテゴーリー」(河出書房新社)
こうの史代/著、「この絵本が好き!」編集部/編「あのとき、この本」(平凡社)
【9月】
町田康「夫婦茶碗」(新潮文庫)
タナカカツキ「サ道」(PARCO出版)
村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文芸春秋)
団鬼六「真剣師 小池重明」(幻冬舎アウトロー文庫)
古井由吉「杳子」(新潮文庫)
町田康「きれぎれ」(文春文庫)
安部公房「砂の女」(新潮文庫)
星新一「明治・父・アメリカ」(新潮文庫)
林明子「こんとあき」(福音館書店)
うみのさかな、宝船蓬莱「幕の内弁当」(角川文庫)
ナディーヌ・ブラン・コム/文、オリヴィエ・タレック/絵、磯みゆき/訳「ちいさいきみとおおきいぼく」(ポプラ社)
乙一「暗いところで待ち合わせ」(幻冬舎文庫)
【10月】
佐々木マキ「ねこ・こども」(福音館書店)
太宰治「東京八景(「走れメロス」より)」(新潮文庫)
太宰治「斜陽」(角川文庫)
原田マハ「楽園のカンヴァス」(新潮社)
穂村弘「整形前夜」(講談社)
有川浩「阪急電車」(幻冬舎文庫)
チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」(光文社古典新訳文庫)
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」(角川書店)
【11月】
上原隆「にじんだ星をかぞえて」(朝日文庫)
パウロ・コエーリョ「アルケミスト」平尾香/画、山川紘矢・山川亜希子/訳(角川文庫)
よしもとばなな「ハードボイルド/ハードラック」(幻冬舎文庫)
吉村昭「海も暮れきる」(講談社文庫)
中村文則「銃」(新潮社)
【12月】
西加奈子「サラバ!」(小学館)
三浦しをん「本屋さんで待ちあわせ」(大和書房)
makomo「くつ下」
島本理生「真綿荘の住人たち」(文春文庫)
佐野洋子「シズコさん」(新潮文庫)


今年はこれにて以上です。
毎週月曜日に更新。次回は1月5日です。
読んで頂きありがとうございました。
皆様良いお年を。

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by mamesyakuhachi | 2014-12-29 06:00 | 佐野洋子 | Comments(0)

昨日は茨城県守谷市で本番。

共演者との一枚。

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…って後ろに写ってるのは守谷市のゆるキャラ「守犬(もりけん)」です。

守谷市文化協会主催の演奏会でした。
芸大の後輩で同じ門下の樋口景山さんの大学院修了記念演奏、そして同じく芸大の後輩にあたる中島裕康さんのコンクール第一位記念の披露演奏もありました。

お二人とも20代の若い演奏家です。
益々の活躍を心より祈っています。


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島本理生「真綿荘の住人たち」(文春文庫)

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何気なく「すいません」と言ってしまう事があります。
別に謝る場面でもないのに条件反射的に。

そういう無意識の言葉に自分の性格がでたりします。

一方では人当りが柔らかく物静かな面もあるため、その事が仇になり、つけ込まれてしまうような事もあります。
そんな経験から、他人に強く言えない優しげな人をみると、
「人柄は美点だけど、たまには主張した方がいいのに。」
と、自分の事は棚にあげて思ったりもします。

でも親しければともかく、知り合い程度であれば、そんな事を当人に向かって言ったりは出来ないです。

そういう言葉に出せない事柄は人間関係の中でおぼろげな共通認識とか距離感になって現れたりします。
簡単に言ったら「空気を読む」という事につながります。
そんな不確かなものたちを、この小説では文章で表現していきます。

小説の舞台は東京、江古田。
学生街であるこの街は何かになろうとしてもなりきれないモヤモヤしたエネルギーが漂って浮かんでいます。

そんな街にあるアパート、真綿荘。
そこに住む人達の仲間意識やすれ違い。

三浦しをんさんが評した通り「さりげない共感と反感に満ちている」空間でした。

大人になろうとしながらもなりきれない大学生の大和くんや鯨ちゃん。
社会的、年齢的には大人であるはずの千鶴さんや椿さん。

冒頭は青春ドタバタコメディの様に始まりますが、ページが進むうちに絡み合っていく微妙な心の動き、それに呼応するような雰囲気で読ませる文章と非説明的な会話にクラクラしました。

著者の別の作品を読んでみたくなるし、自分の住んでいる江古田が舞台であるという意味でも特別な一冊でした。

今日はこれにて以上です。
毎週月曜日に更新。次回は12/29で今年最後の更新です。
「今年読んで一番印象に残った本」を紹介したいと思っています。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-12-22 02:00 | 島本理生 | Comments(0)

『くつ下』makomo/著

久々に中野の聖地、中野ブロードウェイに行ってきました。

3階の怪しげな書店「タコシェ」で欲しかった本を購入。

makomo「くつ下」

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シュールだけどちょっと笑顔になる絵本です。

著者が自由にイメージしたいろんなくつ下がでてきます。
(ちなみに特にストーリーはありません)

中身を少し紹介します。

普通のくつ下
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赤いくつ下
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素敵なおじさんがプレゼントをくれました。
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青いくつ下・・・何か噛んでる
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のぼってきた・・・あぶない
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こんな感じでいろんなくつ下がでてきます。
和やかな気持ちになります。

一緒にこちらも購入
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同じ著者makomo「ロマンチック公園」そして「かる太」

ちなみに購入できるお店は限られています。
気になった方はmakomoのホームページへどうぞ。

今日はこれにて以上です。
毎週月曜日に更新。次回は12/22です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-12-15 02:06 | makomo | Comments(0)

今年も師走です。

冬になると食べたくなるのは鍋。
湯豆腐でもつまみながら、お猪口で熱燗を飲みつつ本を読みたいです。
・・・想像するだけで顔がほころびます。

ところで最近はスティーブ・ライヒという作曲家の曲を自宅でよく聴いてます。
以前友達から「きっと好きだと思う」と言われた作曲家です。
ちなみにこんなのです。⇒Octet(Eight Lines)
ジャンル分けすればミニマルミュージックという音楽です。
一見無機質で、際限ない繰り返しの音楽。
そこから徐々に浮かんでくる音の繋がり。無機質でも僕には体温を感じます。

三浦しをん「本屋さんで待ちあわせ」(大和書房)
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小説「舟を編む」等で有名な作家、三浦しをんさんによる書評集です。
本(文学も漫画も)好きの三浦さん。本を愛する気持ちに溢れた書評集です。
三浦さんの好きな本だけを集めたという点で好感の持てる本です。

そして三浦さんが第一線で活躍されている作家だけあって、本を紹介する時の言葉の選び方が素敵でした。

少し引用します。
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島本理生「真綿荘の住人たち」(文藝春秋)では
『笑いと、些細なすれちがいと、さりげない共感と反感が空間を満たしている。』

“さりげない共感と反感”ってどういうものでしょう。
そして、それをどういう風に表現しているのか興味が湧いてきます。
作品に流れているであろう登場人物の絶妙な距離感を予想させてくれます。

鬼海弘雄「東京夢譚」(草思社)では
『憑かれたように川面に見入らずにはいられない男性たちの、憔悴と呑気さと不穏とを、私は愛する』

漢字が多用されていて“呑気”もなんだか呑気じゃないです。
“憔悴”“呑気”“不穏”という正も負も混在した複雑さを“愛する”三浦さんの姿勢。
人間愛の予感がします。
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読了したら、気になった本だらけでした。

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年末は炬燵で一人酒しつつ読書にいそしみたいです。

読みたい本が多くてどれから読むか迷いますが・・・

今日はこれにて以上です。

毎週月曜日に更新。次回は12月15日です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-12-08 02:00 | 三浦しをん | Comments(0)

韓国から帰国しました。

ソウルの崇実大学と昌原市の昌原大学で演奏してきました。
日本側からは和楽器、日本舞踊、洋楽器。韓国側からは韓国の伝統楽器と洋楽器が参加されていました。

日本側の洋楽器メンバーとの一枚。

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今回の演奏旅行では本当にメンバーに恵まれて楽しい旅でした。

食べ過ぎ飲み過ぎ、そして、やや寝不足ぎみ。
(そして帰国後は風邪気味に・・・)

何はともあれ、無事終わり一安心です。

ご一緒した演奏家の方々、スタッフの方々、ご来場頂いたお客様、本当にありがとうございました。

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今週はこれから読みたい本と映画です。

西加奈子「サラバ!」(小学館)

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西加奈子さんの最新作で、作家生活10年目という節目の作品です。
上下巻の長編で、西さんの今までの全てが詰まった作品との事。
韓国滞在中に読もうと思っていたものの羽田空港で購入できず残念に思ってました。
帰国後、購入しようと書店に行ったんですが、集大成的な作品であるので過去の作品を読んでからにしようと思い、とりあえず今「円卓」(2011年/文藝春秋)を読んでいます。
西さんの作品はいつもきらきらしてます。


映画「SHAUN OF THE DEAD」(監督エドガーライト)

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今回韓国でご一緒した三味線の尾上さんから教えて頂いた作品、ゾンビ映画です。
ゾンビ…僕にとっては全く未知の領域です。
内容としては正義が悪をこらしめるという勧善懲悪ものらしいです。
ゾンビなのに勧善懲悪…?と思ってしまいましたが、尾上さんいわく「この作品はゾンビ映画での一番のオススメ」との事。
ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ…
ゲシュタルト崩壊。


今日はこれにて以上です。

毎週月曜日に更新。次回は12月8日です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-12-01 10:43 | 複数著者など | Comments(3)