お知らせから。

僕の知り合いの図書館司書の方が携わっている図書館イベントを2件。
今月開催予定の知的書評合戦ビブリオバトルのご案内です。


『知的書評合戦ビブリオバトルin塩山 8』
【日時】2016年2月20日(土) 17時30分~
【場所】甲州市立塩山図書館(山梨県甲州市塩山上塩後240地図
【問合せ】0553-32-1505(甲州市立塩山図書館
※発表者は既に決定済とのことですが、観覧者は当日自由に参加して良いとの事です。


『知的書評合戦ビブリオバトル 立川市柴崎図書館決戦!』
【日時】2016年2月28日(日)14:00~16:00(開場13:45~)
【場所】柴崎学習館 第一視聴覚室(柴崎図書館横、東京都立川市柴崎町2-20-5地図
【問合せ】042-525-6177(立川市立柴崎図書館
※発表者5名(大学生以上)と観覧者20名によるビブリオバトルです。数日前の時点ではまだ発表者を募集中でしたので、ご興味ある方は是非ご参加下さい。

以上2件お知らせでした。
ちなみに2月20日の塩山図書館では発表者として参加します。

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『自分をいかして生きる』西村佳哲/著(ちくま文庫)


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タイトルだけを見ると安直な自己啓発書のように感じるかもしれません。
しかしながら、この本は生き方のノウハウやテクニックを紹介した本ではありません。

著者の肩書は「働き方研究家」。
この本の書き出しに、本書の立ち位置が端的に示されています。


『〈仕事〉は〈人生〉と、〈働き方〉は〈生き方〉と背中合わせで、ほかの誰も肩代わりすることができない一人ひとりの生に直結している。
つまりそれは極めて個別的なものだ。普遍的な言葉で語りきれるものじゃない。
こうすればいいとか、こんな風に働くべきだとか、生きるべきといった話を他人が示すことはできない。』


著書が本書で伝えたいことは生きる事への普遍的なテクニックではありません。
個々人それぞれの独自性やあり方、それらを大切にした上で、どのように仕事をし生きていくかという事を考えていく内容になっています。

そもそも「いい仕事」とは何でしょうか?
心をこめて商品を開発すること、贅をつくした建築物をつくること、素晴らしい音楽を奏でること。
様々な仕事があると思います。

著者は仕事の見えている部分だけではなく、仕事の奥にある根源的な人間の在り方について考えを巡らせていきます。
仕事の先には必ず人が〈いる〉という認識、人が〈いる〉ことで仕事がより他者に届くのはなぜなのか、という事に眼差しを向けていきます。


『社会は、わたしたち一人ひとりの仕事の累積でできている。/それら一つひとつの仕事を通して、わたしたちは日々、無数の存在感ないし不在感と接している。「いる」とか「いない」とか。/
美味しそうなのに、食べても満たされないもの。立派に見えるのに、どこかごまかされている感じがするもの。/「こんなもんでいいでしょ」という感覚の中で行われた仕事は、同じ感覚を人にうつす。ある人間の〈あり方〉が、仕事を通じて他の人にも伝播してゆく。』


本書の中で著者は様々な人物のもとを訪れ、仕事や生き方について取材を行っていきます。
家族の繋がりを大切にしながら営む都内の蕎麦店、地域の人から愛されるカフェを奈良で経営するオーナー、アメリカのロサンゼルスで小さな宿を切り盛りする女性経営者。

取材の中で著者が感じたのは、それぞれの仕事にはそれぞれのアプローチが存在するという事。
他者に自分なりの誠実さと優しさを差し出し、自己と他者を大切に扱いながら仕事をし、いつしか「自分の仕事」に辿りついた人達の姿。

生きる事はたやすいことではないし、上手くいくことばかりでもありません。
それでも、自分のやり方で自分の仕事を作っていく事はどんな状況であっても可能なんじゃないかと、著者は言います。

本書の終盤で著者が発したシンプルな問いが印象的です。

『みなさんはどんなふうに働いて、生きてゆくんですか?』

この問いに皆さんはどう答えるでしょうか。

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は2月8日です。
読んで頂きありがとうございました。


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by mamesyakuhachi | 2016-02-01 11:45 | 西村佳哲 | Comments(0)