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今週は興味深い本を譲って頂いたので、その本を紹介します。

『廣辭林 新訂版』金澤庄三郎/編(三省堂)

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大正14年に発行された国語辞典です。

発行から90年が経っているので現在とニュアンスや解釈が違うところがあり、そこが面白いです。そして文章は非常に重厚です。

早速いろいろな言葉を調べてみました。

(旧仮名遣いや難しい漢字が多いので、web上では文字化けしてしまうかもしれませんが、できる限り原文で引用しています。)

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スープ[Soup](名)
肉類の滋養分を煎じ出したる液汁。
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肉類のえきじる・・・。なんとも生々しい。

滋養強壮に効果のある薬みたいです。


次は只今話題のスポーツから一つ。

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ラグビー[Rugby](名)
楕圓形の球を用ひ、競技の人員は各組十五人にして、球を蹴り飛ばすはいふ迄もなく、これを持ち運び得べきのみならず、更に敵を排斥し捕捉することをも許され、競技の頗る壮烈なるもの。

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『蹴り飛ばすはいふ迄もなく』って言い切ってるのが面白いです。文章に気持ちが入ってます。


身近な単語も漢字を多用すると重厚な雰囲気になります。

次もやや重厚です。
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ようふく[洋服](名)
西洋風の衣服、明治維新以後我國に傳來し、朝野一般の禮服及制服として著用せられ、種類甚だ多く、流行・嗜好等によりて種々の變化あり。

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「明治維新以後我國」「禮服及制服」、まるで漢文みたいです。


ところで、現代語で探しても載っていない単語もありました。
例えば動物の「モモンガ」。
でも、よくよく調べてみると、見つけることが出来ました。

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ももんぐゎ(名)
(1)むささび。(2)著物を被りて肘を張り、「むささび」の羽を張りたる眞似して、小児などを威すたはむれ。

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「モモンガ」じゃないんですね。
ももん「ぐゎ」とは新鮮な響きです。
(でもモモンガとムササビって違う動物なのでは・・・?それと(2)の方も気になる。どんなたはむれ?)


その他に、語句の説明文だけ読むと何やら分からないものもあります。
例えば、こんなもの。

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猴類の獣、西部「アフリカ」の森林に棲息す、身長七尺に達するものあり、全體黒褐色にして頭部に毛冠を有し、垂れて頸部に達す、面部は毛なくして黒く、鼻扁く口廣く頗る獰悪の相をなし、耳は人類に類す、下肢は上肢に比して短けれど、よく直立す、多くは雌雄一對にて生活し、性質猛烈にして腕力強し。
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これ実はゴリラ[Gorilla](名)の説明です。文字だけだと想像しにくいですよね。
当然編者も文字のみでは想像しにくいと考えたらしく、本文の下に絵が添付されていました。

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でも・・・ラ、ラリゴ?
ああ、なるほど。右から読むんですね。

ちなみに隣のページには、

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フルゴ・・・。


【おまけ】

逆引きクイズを一題。

語句の説明文から、その単語が何か考えてみてください。

ちょっと難しめです。
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圓柱に隆起部を斜めに捲きつけたる形のものと恰もこれの嵌入し得るやう空筒に斜に凹條を刻みたるものとより成る装置。
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何のことを言っているか分かりましたか?

答えはこちらです。



今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。次回は10月19日です。
読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2015-10-12 06:30 | 金澤庄三郎 | Comments(0)