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『銃』中村文則/著

先日の土曜日は八王子にてコンサートに出演してきました。尺八ソロのコンサートで独奏曲以外にポップスなども演奏してきました。

そして、ソロでのコンサートだったので、おまけのコーナーとして本の紹介もしてきました。

紹介本は図書館司書の方から教えて頂いた本で、先日読了した吉村昭「海も暮れきる」(講談社文庫)でした。

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演奏も本の紹介もお客様に楽しんで頂けたようです。
ご来場頂いたお客様、誠にありがとうございました。

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今週の本です。

中村文則 「銃」 (新潮社)

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【あらすじ】
夜半の河原で拳銃を拾った若い男。その日から彼は拳銃の存在の虜になり恍惚感に満たされる。
やがて、その拳銃を手に街をさまよい、ついに引き金に手をかける…。
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孤独感と絶望に根ざした弾劾の軌跡。
外的な物質である拳銃が、主人公の内的な世界に移行する描写は戦慄を感じます。

「これは違う。」
そう言って発砲した主人公の言葉は、周囲には全く理解され得ない身勝手な言葉に映ります。

単なる自己本位にとられてしまう主人公の言葉ですが、僕は「なんて可哀想なんだろう」と感じました。

小説や文学の良さの一つに「簡単には言葉にできない心理体験を書き表す事」があります。

心理体験の過程を入念に書き上げている本書だからこそ、主人公の実際の行動と心理状態の隔たりが痛いくらいに伝わってきます。
そして、帯文の言葉を借りれば、最後まで力を緩めずドライブ感のある小説でした。

新橋の喫茶店で合間時間に一気読み。読後は作者に拍手をおくりたくなりました。

気がつけば中村文則さんの作品を読むのはこれで四冊目になっていました。

今日はこのへんで以上です。

毎週月曜日に更新。
次回は12月1日です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-11-24 01:35 | 中村文則 | Comments(2)