髪を切りに行こうと思いましたが、成人の日なので予約の電話をいれる段階でやめときました。

今日の音楽は山崎まさよし「根無し草ラプソディー」です。25歳ぐらいのときによく聴いてました。


本の紹介です。

角田光代 著、近松門左衛門 原作「曽根崎心中」(リトルモア)

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結局は誰を、そして何を信じるのかって話なのかなと思います。

本の最後に「本書は近松門左衛門作『曽根崎心中』を翻案したものです」とあります。

本作は原作の筋を辿りながら、現代人にも分かるように挿話を交えながら、角田光代が「曽根崎心中」を新しく書き上げた作品だと思います。

原作は有名な作品なのでご存じの方も多いとは思いますが、この作品の主な登場人物は三人です。

お初、徳兵衛、九平次です。
ごく簡単に解説すれば、ヒロインがお初、その相手役が徳兵衛、悪役が九平次です。

女郎のお初と、醬油屋の徳兵衛の叶わぬ恋。そして、徳兵衛が九平次の罠にはめられて、二人は心中をしようと決心します。

徳兵衛が正義で、九平次が悪役という形に一応なってるんですが、この作品のちょっと面白いところは、結局はどっちの言い分が正しいのか、考えていくと、よく分からなくなっていく所です。

徳兵衛は九平次にはめられたと考えてるし、九平治も徳兵衛にはめられたと考えてます。

どっちの言い分が正しいのかという話も興味あるんですが、この作品で僕にとって一番大切なのは、お初から見た真実は何かって事だと思います。

お初にとってどっちが正しいかはあまり問題ではなくて、愛する徳兵衛の言ってる事を信じたいんじゃないのかなと思います。

お初は徳兵衛が嘘を言ってるのかもと心の中では思ってる部分があると思います。
でも、それでも信じたいんだと思います。
恋は盲目って感じでしょうか。

命を懸けて添い遂げたい徳兵衛を信じ抜く事が、お初にとっての真実なんだろうなって思います。


この本は著者が曽根崎心中の魅力を現代人でも分かるように、そして劇的に描いた名著だと思います。
原作と違うじゃないか、と思う方もいるかもしれません。
僕は近松門左衛門の原作を読んだことがなかったのですが、この本がきっかけで原作の現代語訳を読んだり、文楽を見たりしました。

この本を契機として、古典に触れたりするという意味でも、読む価値は充分あると思います。


ところで、文楽の「曽根崎心中」。

人形は表情が一緒のはずなのに、顔の傾き方や見え方で泣いてるようにも笑ってるようにも見えます。

すごく不思議で魅力的です。

この本を読んでから文楽の曽根崎心中を見ると、より楽しめます。



今日はここらへんで以上です。

毎週月曜日に更新。次回は1月20日です。

読んで頂きありがとうございました。
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by mamesyakuhachi | 2014-01-13 17:12 | 角田光代 | Comments(0)