女性から男性に「その洋服、良いですね」と言うよりも「その洋服、わたし好きです」と言う方が喜ばれる。

らしい。

たしかに前者には使い古されたお世辞っぽさを感じるが、後者には具体性があり、さらに「わたし好きです」という男性が喜びそうなフレーズも入っている。

このフレーズを知ったのは漫画家でエッセイストの益田ミリの書籍。
何の作品だったか今や思い出せないのですが、益田ミリの作品には常に共感させる力があり、どの作品も面白い。


今週はそんな益田ミリの女性向けエッセイを取り上げ、人生の機微を学び、さらに男子力なるものを上げてみようと思います。

参考テキストはこちら

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「キュンとしちゃだめですか?」益田ミリ/著(文藝春秋)です。

この本では大人の女性が世の男性たちのどんな言動や仕草にキュンとするかを綴ったエッセイになっています。

本書で取り上げられているキュンとするポイントは全90項目。

その中から一般男性が実生活でも応用できそうな7項目を選び、初級~プロ級までの四段階に分けて紹介してみます。


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【初級:大多数の男性が今日からできるキュン】

「ドアを押さえててくれてキュン」(46頁)

これは分かる。解説不要でしょう。
日常でもチャンスは多いです。

「ありがとうにキュン」(14頁)

例えばエレベーターを降りるとき、開ボタンを押してくれている女性に、さりげなく「ありがとう」と言えること。いやこれは男女関わらず嬉しい。


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【中級:気遣いと記憶力も必要なキュン】

「覚えててキュン」(78頁)

過去にあったやり取りや会話で嬉しかったことを思い出し、改めて謝意を伝える事。
確かに嬉しい。でも誰にいつ言われたかきちんと覚えていないと墓穴を掘りかねないですね。

「年齢を忘れてくれてキュン」(88頁)

年下の男性から「若く見えますね」と言われるより「ぼくと同じ歳くらいじゃなかったでしたっけ?」と言われる方が嬉しい、との事。
「若く見えますね」はお世辞っぽいですが、「ぼくと同じ歳~」の方が確かにリアリティーを感じます。


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【上級:空気が読めてセンスが必要なキュン】

「『ぜ』にキュン」(80頁)

本書によると「行こう」と言われるより「行こうぜ」と言われる方が嬉しいらしい。
意図することは分かるものの、如何せん人を選ぶでしょうね。
ちなみに私は20代前半の頃、後輩の女の子に言って引かれた経験があります。

「『おいで』にキュン」(154頁)

著者いわく「若い女の子として見てくれているような感じ」がするとの事。
優しさを込めて言われたら確かに嬉しいでしょうね。
しかし使うのは勇気がいるし、これも人を選ぶ。そしてそもそも恥ずかしくて言えない。


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【プロ級:もはや意味不明で高レベルなキュン】

「ちくわ天にキュン」(100頁)

著者が仕事の打ち合わせの後に、仕事相手の男性とセルフうどんを食べに行く流れに。
その男性が「ぼくはトッピング、毎回、決まっているんです」と言って選んだのは「ちくわの天ぷら」。
著者はその時すかさず「かわいいっ」と思ったとの事。
意外性か、「ちくわの天ぷら」の語感なのか……。うーむ、まずそのシチュエーションがないな。


以上四つのレベルに分けて紹介してみました。

世の男性のみなさん、使えそうなものから実践してみましょう~。


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ここからは一つ耳より情報です。

新宿区中井にある伊野尾書店さんで「中井文庫」という文庫フェアを9月1日より開催中です。

このフェアは伊野尾書店さんと交流のある方々が、それぞれのオススメの文庫本を選書したブックフェアになっています。

今回は私もご縁があり、選書に参加しています。

(店長さんのブログに詳細が載っています→伊野尾書店WEBかわら版

地元店主、大学教授、システムエンジニア、放送作家、写真家、プロレスラー、バーテン、書店スタッフなどなど、様々な方々が選者として参加されている「中井文庫」。

10/31までの開催です。
お近くにお立ち寄りの際は是非足を運んでみて下さい。

【伊野尾書店・中井文庫2016】

《住所》東京都新宿区上落合2-20-6 グーグルマップ
《最寄駅》地下鉄大江戸線・中井駅A2出口を出て徒歩0分 西武新宿線・中井駅から徒歩1分
《営業時間》10:00-22:00(平日) 11:00-21:00(土曜) 11:00-20:00(日祝)
《定休日》年中無休(年末年始・棚卸日を除く)

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は9月12日です。

読んで頂きありがとうございました。







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by mamesyakuhachi | 2016-09-05 00:01 | 益田ミリ | Comments(0)

僕が週1回ぐらいで行く近所の花屋さん「NECO QAVREENO」。


花を買って家に飾るきっかけを作ってくれた花屋さんです。

店主は30代の男性で僕と年齢が近い事もあり、お店に寄るとつい無駄話してしまいます。(話だけして帰ることもあったりします…)

お店には花への優しさとあったかさがあって、店主とお話をするたびにいつも元気をもらってます。

花を買って飾る。
…というと、ちょっと気恥ずかしい感じがするかもしれませんが(特に男の人は…)、でも試しで良いので花を一輪買ってみて欲しいです。

花を飾るだけで部屋の雰囲気って変わったりします。

自分の為に花を買うっていうのも何か良くないですか?

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益田ミリ「すーちゃん」(幻冬舎文庫)

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思い返せば45年前に図書館通いを始めた頃に出会った本です。

この作品は小説ではなく漫画です。

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こんな画風です。

カフェで働く30代独身のすーちゃん。その日常を描いた漫画です。
職場で淡い恋をしたり、たまに健康志向に凝ったり、老人ホームの広告に「高い」とため息ついたり…。
すーちゃんはどこにでもいるような普通の女性です。
幸せそうな友達とつい比較して、自分の将来は大丈夫か、このままでいいのだろうかと、いつも立ち止まって悩んでいます。


『自分が幸せだと思えばそれでいいって頭の中ではわかっている。

だけど他人からも幸せそうに見られないと不安という気持ちもわかる。』

幸せって比べることは難しいし、自己本位で良いと思うけど、他人と比べると中々納得できないんですよね。

どうしても他人が羨ましく思えてしまう、そんな気持ちよく分かります。

すーちゃんはそういう自分の矛盾や嫌なところを一旦認めて引き受けて、それでも前に進んでいきます。

『あたしって嫌な人間? 違う。
嫌なとこがあっていいとこもある

(中略)
いろいろいてそれがあたしという人間』

変わりたい、でも変われないと悩むすーちゃんの姿はきっと沢山の人が経験してることじゃないかなと思います。なるべく人を嫌いにならないようにとか、嘘をつかないようにとか。
自分の嫌な部分や小さな嘘を真面目すぎる位に考えるすーちゃんを見てると「そういう真面目さもすーちゃんの良い所だよ。だから大丈夫、頑張れ~」と、勝手に応援してしまいます…。

ちょっとしんみり来て、少し泣けます。

疲れたときに読みたくなる、そんな漫画です。


今日はこれにて以上です。

毎週月曜日に更新。次回は8月11日です。

読んで頂きありがとうございました。


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by mamesyakuhachi | 2014-08-04 19:11 | 益田ミリ | Comments(0)

横浜ランドマークタワー69階の展望台。
無料チケットを頂いたので登ってきました。

当日はあいにくの雨模様。

チケット売り場で係員の方が「今日は天候不良で視界が良くないのですが、よろしいでしょうか」とかなり申し訳なさそうな雰囲気。

僕は「大丈夫ですよ~」と返答。
視界悪いって言っても、まぁちょっと景色見れればいいやと思ってました。(無料ですし)

そしたら


南側、なんも見えない。
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北側・・・ちょっと見える。

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でもガラスに近づいて下を見れば

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まぁ少し・・・、見える。

こりゃ係員の方も気を遣いますよね。

やっぱ俺は悪運が強いです。
でも逆にガラガラで貸し切り状態でした。

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今日の本です。

益田ミリ「青春、手遅れ」(角川学芸出版)

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益田ミリ隠れファンの僕です。(隠れ・・・は要らないか)

著者の作品(漫画からエッセイ、小説)はだいたい読んでます。
ほのぼのエッセイの他に、アラサー独身女子の日常を繊細に描いた「すーちゃん」シリーズも好きです。
日常の些細な事に立ち止まり(益田ミリは「ちょっと立ち止まる率」高し)、悩みながら進んでいく姿が良いです。

話が横道にそれますが「すーちゃん」シリーズの第二巻のタイトルが「結婚しなくていいですか。
」なんですが、このタイトルが良いです。
世間体と現実、「結婚しない」とも「結婚したい」とも言い切れない微妙な気持ちをよく表現してるなぁと思います。


えー、話を元に戻し「青春、手遅れ」
この作品はほのぼのエッセイ&漫画です。

青春の代名詞と言えば、学生時代ですよね。

著者は学生時代にしたくても出来なかったあれこれ(制服デート、自転車ふたり乗り、男子に校門で待たれる)等々に未だ憧れを抱きつつ、戻らない「青春」に「もう手遅れかぁ~」と思いを馳せています。

ちなみに僕の青春時代。高校は男子校でした。
(いや、正確に言えば、わずかに女子はいましたが、棟が違うので、基本的に交流なし)

文化祭、体育祭、修学旅行など女子との楽しい思い出は・・・皆無です。

なので妄想ばかりが膨らんでました。


それで文化祭といえば、憧れるこんな場面・・・。


準備で遅くなった二人。
脚立を支える女子。

「ちゃんと支えてろよ」と男子。
次の瞬間。

ドンガラガッシャーン

「アイタ、タ・・・。だ、大丈夫か・・・」と男子。

「う、うん。・・・でも、いつまで私の上に乗ってるの・・・?」

「ゴ、ゴメンっ!」(二人は赤面)


・・・あー、壮絶に馬鹿馬鹿しい。

まーこの後二人は準備に手間取り、二人きりで下校・・・って、もう書かなくていいでしょう。


まぁ僕の青春も手遅れ。

でも、きっと皆さんにも青春時代にしたくても出来なかった事があるはず…と思います。

あの頃は下らない事を考えてたなぁ…、と共感できる気楽なエッセイです。


今日はこの辺で以上です。

更新は毎週月曜日。次回は4月14日です。

読んで頂きありがとうございました。

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by mamesyakuhachi | 2014-04-07 10:14 | 益田ミリ | Comments(0)

今日の音楽は奥田民生「マシマロ」です。
華麗なユルさ…。やっぱり民生は良いです。

先週11月22日(金)は琴の渡邊香澄さんとのデュオライブ「月下美人とオオカミ男 秋のお客様感謝day」を開催しました。

満員のお客様、そしてゲストのピアノ・岡田幸子さん、スタッフの方々、会場の中目黒・楽屋の方々、誠にありがとうございました。

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お客様感謝dayと題して、演奏の他に、オリジナルグッズ(上記画像のチョコレート)のプレゼントや、お客様から演奏者への質問カードの受付など、お客様と一緒に楽しめるコンサートをしました。


…と言いながら、僕が一番楽しんでいたようです。
お客様からは「遠藤さんが一番楽しんでましたね」との感想も…。

いやいや、その通りです。
僕自身すごく楽しかったです。

コンサート中に頂いたお客様からの沢山の質問カード。コンサート中では全てをご紹介出来なかったので、ここで一つだけ紹介し質問に答えたいと思います。


「猫好きの遠藤さんですが、飼い猫の名前を教えて下さい」


僕の猫にまだ名前は…ありません。吾が輩は猫である、じゃないですが。
実は僕は実際に猫を飼ってるわけじゃないんです。
僕は猫好きなんですが、自宅にいる大好きな猫たちは物語の中の猫達です。(例えば、百万回いきたねこ、ねこぢる、今日の猫村さん、キャッテゴーリーなど)

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僕が好きな物語にはなぜか猫が登場してくるんです。…と言っても「猫」がつくタイトルの本を選んでる時点で確信犯的ですが。

猫は勝手きままにどこかに行ったり、我関せずみたいな雰囲気が好きです。
飼い主に時々は甘えながらも、どこか冷めた遠い目線で世の中見てて、世捨て人な風情…。(世捨て猫?)
そんな雰囲気に惹かれます。

でも、いつか機会があれば実際に猫を飼ってみたいです。
その時は室内だけじゃなくて、猫がうろうろできるように外にも自由に行き来させてあげたいです。

・・・・・

今回のコンサートは昨年に続き第二回目です。

三回目も是非したいと思っています。

真剣に演奏しながらも、MCはゆるゆる。
普段から無駄話している甲斐があるというもんです。

これからも、有意義で少しバカバカしくも真剣、
自分にとって大切で無駄な時間をたくさん過ごせたら良いなと思っています。

そして、ピアノの岡田幸子さんやお客様を巻き込んで行きたいです。


・・・・・・・

そして、二週間ぶりの本の紹介です。

益田ミリ「お母さんという女」(光文社・知恵の森文庫)

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僕の好きな作家・益田ミリが2004年に出版した本です。

この本は益田ミリが自分の母親についての “あるある” みたいなものをエッセイと漫画で綴っています。

裏が白いチラシはメモ帳などに有効利用。明石家さんま出てきたら大笑い。娘が子供の頃好きだったお菓子を未だに好きだと決めつけている。タレントの不幸話にもらい泣き。などなど・・・

益田ミリが自分の母親を娘の視点から眺めて綴っています。

しかし、母親ってどこの家庭も似ているもんですね。

昔、「ダウンタウンのごっつええ感じ」というテレビ番組で「おかんとマー君」というコントがありました。
松っちゃん扮する世話好きのオカンと、それを邪魔に思う息子役の浜ちゃんのコントですが、
あれを見た時「自分の母親とそっくりだな~。」と思いました。

著者の描く母親は、どこにでもいるような、そんなお母さんです。
二人の娘から、もらった誕生日プレゼントは両方とも靴。母は「靴のうえから靴、履かなアカンわ」と明るく笑う。
ご近所さんが手作りしたオシャレとはいえない牛乳パックの小物入れを「器用ねえ」と喜んで部屋に飾る。

そんな日常のひと時を著者は今の自分にそれができるかな~と思いつつ、お母さんみたいにはならないぞ~とも考えたりしながらも、真っ直ぐに喜んだり泣いたりできる母を羨ましく思っています。

マンガの部分だけ読んでも、途中から読んでも楽しめる作品です。

ちなみに同じ著者で2009年出版の「オトーさんという男」(光文社)もあります。

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こちらは「お母さんという女」がほのぼので少し泣けるのに対し、
「オトーさん」の方はちょっと印象が違います。
すぐ怒ったり、機嫌を損ねるオトーサンは面倒くさいなぁという感じで綴っています。

こういう綴り方が益田ミリの良い所だなって思います。
勝手に裏事情を察する感じになるんですが、2004年に「お母さんという女」を出して、いわゆる“ほのぼので少し泣ける”というエッセイが好評だった為に、2009年に「オトーさんという男」が出版されてるという流れがあります。

その流れを考えると、多分出版サイドから著者に対して「前回のように、ほのぼので泣ける感じで…」と言われたんじゃないかなと思います。

でも益田ミリはその期待を鮮やかに裏切るんですよね。
「オトーさんという男」は特に泣ける話はありません。
オトーさんいつもありがとう的な感動話に持っていかないんです。
著者がほんとに素直に父に対して思っている事を、飾り気なく綴っています。
父との思い出は感動や優しさより、面倒くささの方を感じている著者。
それを、ありのまま正直に綴っています。

こういう所に著者の魅力と、仕事と家族に対する誠実さを感じます。

益田ミリの著者は結構読んでいて、また別の機会に他の本も紹介したいと思っています。

今日はブログが結構長文になりました。

ここまで読んでくれた方いるかな~

と思いながら、読んでくれた方がいると信じて…いつもの〆の言葉…

読んで頂きありがとうございました。

更新は毎週月曜日。次回は12月2日です。
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by mamesyakuhachi | 2013-11-25 17:42 | 益田ミリ | Comments(0)