【ほぼ未読書評】2ページだけ読んで本のあらすじを予想してみる。& 6行書評



先週の記事では、青山七恵「新しいビルディング(『お別れの音』より)」を2ページだけ読んであらすじを予想してみました。


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先日読了したので今週は予想がどれくらい合っていたのか確認してみます。

ちなみに私遠藤の予想したあらすじは


都会のオフィス街につとめる20代のマミコ。
無機質なコンクリート建築物に囲まれた生活を送っている。
マミコの最近の悩みは彼氏と親友A子の関係。
以前マミコは結婚を前提に付き合っている彼氏をA子に紹介した。
しかし、それからしばらく経って、偶然街で彼氏とA子が仲良く歩いているところに遭遇してしまう。
当然マミコとA子の関係は悪化し、そのうえ彼氏はマミコを捨てA子と結婚に踏み切ってしまう。
一人残されたマミコ。
勤務先の向かいにあるのは建設中のビル。巨大化するビルは不要になった鉄屑を置き去りにしながら建設されていく。
それはまるで取り残されたロッカーのハンガーのように決して祝福の対象にならない。
気づかないうちに修復できなくなった関係、そして行き場を失った感情。
それらは癒されることもなく、ただ中空を彷徨っている。


でした。

ではどのくらい合っていたのか?

間違っていた部分に取り消し線を引くと……


都会のオフィス街につとめる20代のマミコ。
無機質なコンクリート建築物に囲まれた生活を送っている。
マミコの最近の悩みは彼氏と親友A子の関係。
以前マミコは結婚を前提に付き合っている彼氏をA子に紹介した。
しかし、それからしばらく経って、偶然街で彼氏とA子が仲良く歩いているところに遭遇してしまう。
当然マミコとA子の関係は悪化し、そのうえ彼氏はマミコを捨てA子と結婚に踏み切ってしまう。
一人残されたマミコ。
勤務先の向かいにあるのは建設中のビル。巨大化するビルは不要になった鉄屑を置き去りにしながら建設されていく。
それはまるで取り残されたロッカーのハンガーのように決して祝福の対象にならない。
気づかないうちに修復できなくなった関係、そして行き場を失った感情。
それらは癒されることもなく、ただ中空を彷徨っている。


あああああ……間違いだらけ。

恋敵だと思っていたA子は単に仕事場の無口な先輩だったし。
三角関係のもつれなんて特にないし。
それと細かい部分では、主人公マミコが20代という予想も正解と言えなかったです。(マミコと若い女性社員がタメ口で話す場面があるので若いとは思うのですが、はっきり20代という表記は無い)

うーむ、難しい……


ちなみにこの作品のあらすじは、

入社して3ヶ月のマミコは2人だけの小さな部署で働いている。
先輩社員はフジクラという無口な女性。
無愛想な彼女との気づまりな雰囲気。
不仲ではないが友好的でもない、お互いの存在を必要最低限だけ意識している二人。
いつまでこの状態が続くのだろうとマミコは思っていたが、ある日フジクラから妊娠と退職を告げられる。
マミコはそれを不思議と何の感動もなく受け入れる。
そして退職の日、マミコは特に何の感慨もない。
外を見ると建設中のビル。その建物は不要になった鉄屑を吐き出しながら建設されていく。


という感じです。



予想は残念ながら殆ど当たらなかったものの、この【ほぼ未読書評】やっていて楽しい。

なので今週も別な本に挑戦したいと思います。

しかも!

先週は2ページ読みましたが、今回はハードルを上げて3行×3行の6行書評に挑戦です。


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「はるか(『水に眠る』より)」北村薫(文春文庫)全23ページ


著者のプロフィールを簡単に紹介します。
北村薫(きたむらかおる)は1949年生まれの小説家。大学在学中にミステリクラブに所属。1989年に「空飛ぶ馬」でデビュー。1991年に「夜の蝉」で第44回日本推理作家協会賞を受賞。直木賞最終候補作に過去6度選出。
(ちなみに男性作家です。)

今回はこの作品の書き出し3行と終わり3行の合計6行で作品のあらすじを予想してみます。
(なおネット環境の都合で3行表記にならない場合がありますが、下記引用部は本文のきっちり3行分です)


まず書き出しの3行


 話を聞いて来たのは、父だった。夕食の膳の、鍋物をつつきながら、
 「モリタが店をしまうんだ」
 「ははあ」


そして終わりの3行


 はるかの顔は、たんぽぽ色のろうそくの光に、うっすらと染まっている。その無邪気な口元が動き、
 「わたし、大みそかの夜から三日までは、お巫女さんのアルバイトするんです」


この引用部だけで得られる情報とそこから推理したものを箇条書きにしてみます。

(1)「話を聞いて来たのは、父だった」という文章から、この小説は「父」の子供の視点で描かれている。そして視点になっているがゆえにこの子供が主人公だと思われる。この人物は最後の3行に登場する「はるか」だと思われる。(タイトルが「はるか」だしね。)
(2)登場人物として上記引用部で判明するのは、はるか、はるかの父、モリタの三名。他は不明。
(3)はるかが巫女のアルバイトをするというので、年齢は15歳から22歳だと思われる。そして父の年齢は40歳から50歳くらいだろうか。モリタの年齢は予想が難しいが父がモリタを呼び捨てにしているので同い年か年下だと思われる。
(4)鍋物をしているのと大みそかのアルバイト話が出てるので、季節は冬。しかも12月。
(5)「モリタが店をしまう」と父が言った後に、はるかが「ははあ」と受けているので「やっぱりそうか」と思っていたと考えられる。という事は、モリタの店の状況を以前から知っていたのではないだろか。誰から聞いたのか?ここは新たな登場人物を設定。モリタ家の長女ではるかにはお姉さん的存在の女性から聞いたのだと勝手に予想。
(6)終わり3行で登場する「ろうそくの光」。解釈が難しいが、きっとこれは困窮したモリタ家は電気を節約し、ろうそくの光で凌いでいると思われる…。
(7)最後のはるかのセリフが敬語なので父に向けた言葉ではないと思われる。じゃ誰かというと多分モリタ娘だろう。

これらの情報をもとにあらすじを推理すると以下になりました。


高校生のはるかはいつも笑顔をたやさない優しい女の子。
父の友人のモリタさんが店を閉めると聞いて心を痛めている。
それにモリタさんの家には少し年上のお姉さんがいて、今も仲良く過ごしている。
モリタさんやお姉さんの為に何かしてあげたい。
そうだ、巫女のアルバイトをする事をそれとなくお姉さんに話して一緒に神社で働こう。
はるかは優しく揺れるろうそくの光の中でそっと誓うのだった……。



さあ、どうでしょう?
当たってるんでしょうか?

若干無理やりな感じも否めませんが……


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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は12月5日です。
読んで頂きありがとうございました。


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by mamesyakuhachi | 2016-11-28 00:01 | 青山七恵 | Comments(0)