2016年 05月 23日
【単発企画】線引き本の魅力を勝手に紹介激安の理由は「本が傷んでいる」とか「余剰在庫だから」というのがあるようですが、もう一つの理由は「線が引いてある」というのもあるようです。
僕は数年前までは「自分の気になる部分は自分で考えたいから、線の引いてある本は買わない」という方針だったのですが、ある日たまたまブックオフの108円本コーナーで線が引いてある本を手に取り、その線引き部分からほとばしる熱気と情熱に興味を覚えるようになりました。
本に引いてある線、それは過去の読み手が重要だと思ったり、気になった箇所です。
その部分を読むと、出会ったことのない読み手と本を通して交流をしているような気持になるんです。
・・・というわけで今日の更新は単発企画「線引き本の魅力」をお送りします。
ちょっと情熱がほとばしりすぎていたり、他人には言えない魂の叫びを感じる線引き本たち。
そんな本たちの魅力をお伝えしたいと思います。
2冊ほどご紹介します。
まず最初の本はこちら。
「あなたは出会うべき人に必ず出会えます 『魂の結婚』で本物の愛と幸せを手に入れる」原田真裕美(祥伝社黄金文庫)
「魂の結婚」をして幸せになって欲しい、という著者の気持ちがつまった一冊です。
きっと前の持ち主さんは「結婚したい」という気持ちを前提にしながらも、結婚を単なる書類上の契約ではなく、心の通じあった交流の中で取り交わすものとして考えていらっしゃるんだと思います。
さっそく前の持ち主さんがどんな所に線を引いたかを取り上げてみます。
「『1年以内に結婚相手を見つける』つもりで、自分を『結婚する人』に仕立て上げるプロジェクトに取り掛かって下さい!」
「まずは『結婚するぞ!』と自分に誓う」
「一日も早く結婚する決意をして下さい。」
おお・・・結婚熱のほとばしりを感じる線の引かれ方です。
そして僕が最も気になったのは「既にこの本が古本である」ということです。
つまり、この本の持ち主だった方は既にこの本を手放して不要になっています。それにはどんな理由や背景があるか、少し考えてみました。
たぶん一つ考えられるのは、単純に無事結婚できたから、だと思います。
そんな妄想を膨らませてくれるのが線引き本の魅力です。
続いて二冊目。
「自分の中に毒を持て あなたは“常識人間”を捨てられるか」岡本太郎(青春文庫)
世界的な芸術家・岡本太郎の人生論ともいえる一冊。
生き方と芸術について熱く語るような文体で、読者をグイグイひきこみ、読後は元気と勇気をもらえる本です。
さっそく前の持ち主さんの線引き箇所を見てみましょう。
「多くの人が失っている自由をとりもどす為に芸術は大きな役割を持っている。」
「計画性を考えないで、パッと、何でもいいから、自分のやりたことに手を出してみるといい」
「最大の敵は自分なんだ」
「未熟を決意するのは、素晴らしいことだ。」
「生きるということを真剣に考えれば、人間は内向的にならざるを得ないのだ。」
このあたりから類推すると、きっと前の持ち主さんはまだ若く(上京したての大学生と予想)、ウジウジ悩むタイプ。でも根は真面目で優しくて、東京の厳しさを肌身に感じながらも必死に生きていこうとする芸術家の卵。
でしょう。きっと。
む・・・これ、誰かに似てるぞ。
昔の誰かに・・・
むむ・・・
あ、
ああ、
俺だ・・・。
なんか、この本の過去の持ち主さんと話が合いそうです。
安い居酒屋で「一緒に頑張ろう!」と励まし合いたい・・・そんな事を妄想してしまいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
線が引いてあると安物になってしまう本。
でも見方を変えると、別な魅力を放つようになります。
捉えかた次第でいかようにでも楽しめるのが本だと思います。
本の魅力をどうにか拡張していきたいと常々考えています。
今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は5月30日です。
読んで頂きありがとうございました。
たしかに結婚したら不要ですもんね。
あるいは、彼氏ができて「この本の線を引いてある部分を見られたらドン引きされる・・・!」と考えたかもしれません・・・。
あるいは、彼氏ができて「この本の線を引いてある部分を見られたらドン引きされる・・・!」と考えたかもしれません・・・。
たしかに『1年以内に結婚相手を見つける』とかに線が引かれてたら彼氏としてはちょっと引きますよね。
(僕も昔、ファッション誌のデート特集のページに折り癖をつけてるのを友達に見つけられてこっぱずかしい思いをしました。)
そんな妄想を膨らませてくれるのが線引き本の魅力です。
続いて二冊目。
「自分の中に毒を持て あなたは“常識人間”を捨てられるか」岡本太郎(青春文庫)
世界的な芸術家・岡本太郎の人生論ともいえる一冊。
生き方と芸術について熱く語るような文体で、読者をグイグイひきこみ、読後は元気と勇気をもらえる本です。
さっそく前の持ち主さんの線引き箇所を見てみましょう。
「多くの人が失っている自由をとりもどす為に芸術は大きな役割を持っている。」
「計画性を考えないで、パッと、何でもいいから、自分のやりたことに手を出してみるといい」
「最大の敵は自分なんだ」
「未熟を決意するのは、素晴らしいことだ。」
「生きるということを真剣に考えれば、人間は内向的にならざるを得ないのだ。」
このあたりから類推すると、きっと前の持ち主さんはまだ若く(上京したての大学生と予想)、ウジウジ悩むタイプ。でも根は真面目で優しくて、東京の厳しさを肌身に感じながらも必死に生きていこうとする芸術家の卵。
でしょう。きっと。
む・・・これ、誰かに似てるぞ。
昔の誰かに・・・
むむ・・・
あ、
ああ、
俺だ・・・。
なんか、この本の過去の持ち主さんと話が合いそうです。
安い居酒屋で「一緒に頑張ろう!」と励まし合いたい・・・そんな事を妄想してしまいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
線が引いてあると安物になってしまう本。
でも見方を変えると、別な魅力を放つようになります。
捉えかた次第でいかようにでも楽しめるのが本だと思います。
本の魅力をどうにか拡張していきたいと常々考えています。
今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は5月30日です。
読んで頂きありがとうございました。
by mamesyakuhachi
| 2016-05-23 00:01
| 読書企画