フリーペーパー「本と尺八」&連載最終回【 『罪と罰』読了まで何時間かかるか実際に計ってみた。】



まずお知らせから。

このたびフリーペーパー「本と尺八」を作成しました。

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都内の書店や雑貨店など置いてもらえそうな所にこれから置いていく予定です。
尺八と朗読のCDもついています。

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もし、このブログを見て欲しいと思った方は

prism.sya@gmail.com

までご連絡頂ければ郵送します。
件名は「フリーペーパー希望」で本文には 1、お名前 2、ご住所 3、必要部数 の3つをお願いします。

なお、先着10名様まで送料無料キャンペーンをします。
(通常180円)

お気軽にご連絡下さい。


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ところで連載企画【 『罪と罰』読了まで何時間かかるか実際に計ってみた。】の第八回目にして、最終回です。

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そう、最終回・・・という事は・・・

そうです!

ついに!

読了しました!

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(光文社古典新訳文庫版 全三巻)

そして読了時間ですが・・・

ダララララララララララララララ・・・(ドラムロール)

ダン!

23時間39分04秒!

でした。

という事は「罪と罰」を読む以外何もしなければ、1日以内に読むことができます!



・・・・と、お祭り気分はこの辺りで終わって、ここからは「罪と罰」を読んで感じた事を書きます。

長文になるので、ここから先はご興味ある方だけでも読んでもらえたら嬉しいです。


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目次

1、読了した・・・で、面白かったの?
2、じゃあ点数つけるなら何点?
3、オススメ入門書
4、【あとがき】読もうが読むまいが・・・本で楽しむ為に

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1、読了した・・・で、面白かったの?

ざっくり言えば「面白かった」です。
話はサクサク進むし、展開もドラマチック。
連載小説だったからか、章の終わりとかで次に引っ張る手法もチラチラ。

たとえば第一巻の第二部4章の終わりでは、

「『まったく!』ラズミーヒンはそう叫びかけたが、そのときドアが開き、その場のだれにも見覚えのない、新しい人物が入ってきた。」(第一巻、337ページ)

ドストエフスキー引っ張るねぇ、という感じです。

それと今回読了して一番感じた事は「意外に『罪と罰』は難しくない。」
という事です。
表現は適当ではないかもしれませんが、エンターテインメント小説として僕は楽しめました。


2、じゃあ点数つけるなら何点?

世界的名著「罪と罰」に点数をつけるなんて・・・・・・無謀。

とは思うものの、このブログは分かりやすさを旨としているので、ここは敢えて点数(満点は100点)をつけたいと思います。

・・・・では

ダララララララララララララララ・・・

ダンッ!

65点!

え、意外に低い。
おい、お前、さっきエンタメ小説で面白いって言ってたじゃないかって?

いや、ちょっと説明させて下さい・・・理由は二つあります。

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《理由その1》バレバレだろ、ラスコーリニコフ。

まず第一の理由がこれです。
殺人を犯したラスコーリニコフの行動が結構バレバレで分かりやすかったのが、ちょっと萎えました。

主人公ラスコーリニコフは殺人を犯したあと誰にも見つからずに帰宅。
しかし、数日間は体調を崩し寝込んでしまいます。
そして目を覚ましたあと友人のラズミーヒンとゾシーモフがやってきます。
その場面でラズミーヒンとゾシーモフは老婆殺人事件について熱っぽく話し始めます。
(この時点では誰が犯人かは分かっていない)

その話をソファで寝ながら聞いていたラスコーリニコフ。
寝込んでいるのに、殺人事件の話になるといきなり起き上がって興味津々ぶりを計らずもアピール。

「『なに、ドアの裏だと?ドアの裏に転がっていたのか?ドアの裏に?』(中略)ソファに片手をついてむっくりと体を起こした。」(第一巻、329ページ)

ドアの裏に置き忘れてしまった証拠品の行方が気になってしかたがないラスコーリニコフ。
しかもラスコーリニコフが寝込み始めたのは老婆殺人事件の日。

ちょっとバレバレ。
そして、その後も警察署の事務官ザメートフに酔っぱらって事件のことを話しだすし・・・。

うーん、ラスコーリニコフの精神の不安定さは分かるんだけど、ちょっとバレバレなんだよなぁ・・・・・。

《理由その2》ソーニャの聖書

この物語のカギを握る登場人物の一人ソーニャこと、ソフィヤ・セミョーノヴナ・マルメラードワ。
ラスコーリニコフが好意を寄せるこの少女は娼婦として生活し困窮する家族を養っています。

第二巻の第四部で、そんなソーニャはラスコーリニコフの為に聖書を朗読します。
朗読した部分は「ラザロの復活」というキリストが起こした奇跡の話。

死んだはずのラザロがキリストの言葉によって生き返るというのが内容のようで、その部分がラスコーリニコフの再生や復活につながっているみたいなんです。

筋としては分かるんですけど、僕にはまだキリスト教に対する欧米人の宗教観とかを理解できていないので、この重要な部分への感情移入ができませんでした。

このキリスト教への理解は「罪と罰」に限ったことではなく、西洋文学を読むにあたっていつも挫けそうになる理由なんですよね。

やっぱ聖書を読むべきなのかなぁ・・・・・と思ったりします。


3、オススメ入門書

今回「罪と罰」を読了できたのは「『罪と罰』を読まない」という本のおかげと言っても過言ではありません。

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3月7日の記事でもこの本を取り上げましたが、これを読むと「罪と罰」が平易なエンタメ小説なんじゃないかと思えてくるんです。
ラスコーリニコフを「すぐ帰るマン」と表現したり、熱血漢ラズミーヒンを「(松岡)修造」と例えたりしているので「罪と罰」が身近な作品になりました。(実際この例えは的を射てました)

なので、もし「罪と罰」をいきなり読むのはためらわれる方は是非一読をオススメします。

4、【あとがき】読もうが読むまいが・・・本で楽しむ為に

あとがきでこんな事をいうのは矛盾しているかもしれませんが、僕は「罪と罰」を読んで欲しいとは思っていませんし、読むべきだとも思っていません。

僕がこの企画でしたかったのは「本で楽しむ」という行為をどうにか拡張できないかなぁと思ったからです。

まず最初に「敬遠されがちな古典って一体読むのにどれくらい時間かかるんだろう?」という素朴な疑問からスタートして、なるべく一般の人にも楽しめる切り口で本を紹介したいと思ったのが今回の企画でした。

なので「『罪と罰』を読む」という手段を使って、「本を読む」という行為を別な角度から楽しみたいという気持ちが目的です。

そんな気持ちが少しでも伝わったら嬉しいです。

これからも皆さんに楽しんでもらえるような企画を考えていくので、今後ともこの「本と尺八」をどうぞご贔屓に。

このブログの更新は毎週月曜日で次回は5月9日です。

読んで頂きありがとうございました。

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《企画の結果報告》

最終第八回【 『罪と罰』読了まで何時間かかるか実際に計ってみた。】
総ページ数1293ページ(光文社古典新訳文庫版)
読了時間 23時間39分04秒


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by mamesyakuhachi | 2016-05-02 00:01 | ドフトエフスキー | Comments(0)