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【連載企画】第四回 『罪と罰』読了まで何時間かかるか実際に計ってみた。



【連載企画】 『罪と罰』読了まで何時間かかるか実際に計ってみた。 

の第四回目です。

今週は第一巻206ページまで読みました。
ちょうど第一部の終わりまでです。
(経過時間はこの記事の最後に掲載)

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3/27~4/3まで読んだところで最も大きな出来事というと、
「主人公ラスコーリニコフが金貸し老婆アリョーナと同居人リザヴェーダを殺害」
になると思います。

「罪と罰」前半のおそらくクライマックスです。

ところで、そもそもなんでラスコーリニコフが殺人を犯さなければならなかったのか、という部分が気になるのですが、それには「金に困ったから」というのと「アリョーナを殺せば沢山の救える命がある」という二点みたいです。(注1)

それと殺人を実行に移す前に「偶然」が3つ重なっていくことが後押しする要因としてあるみたいです。

その偶然というのを遠藤のイラストで紹介してみましょう。(相変わらず絵心ナシ・・・)

1、アリョーナに初めて会った日に偶然噂話を聞いてしまう。(第一巻、153~160ページ)

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ラスコーリニコフがアリョーナに初めて会った日(本文によると「その年のまだ冬のうち」なので、たぶん半年くらい前)に、安食堂で二人の若い男(学生と士官)がアリョーナの噂話をしているのを耳にします。

アリョーナがいかにケチで因業かを噂し、学生は「あの、鬼ばあさんなら、たとえ殺して金を奪ったとしてもだ、いいか、良心の呵責なんていっさい感じないね」(第一巻、157ページ)と言い、さらに「たったひとつの命とひきかえに、何千という命を腐敗や崩壊から救えるんだぜ。」(第一巻、158ページ)とまで言い切ります。

ラスコーリニコフはその会話を聞きながら
「よりによっていま、自分の頭にそれとそっくり同じ考えが芽生えた矢先、なぜ、そんなやりとりを、そんな考えを耳にはさむはめになったのか?(中略)彼には、この偶然の一致がいつもふしぎに思われてならなかった。」
(第一巻、160ページ)

これが偶然の1つ目。

次の2つ目は、

2、ラスコーリニコフ、センナヤ広場で偶然情報を得る(第一巻、150~151ページ)

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ラスコーリニコフは殺人決行の前日、ほうぼう歩き回って疲れ切り、帰宅を急いでいたにも関わらず、なぜか無意識的に回り道をしてセンナヤ広場を通りかかります。
そしてさらにたまたま、そこで金貸し老婆アリョーナの同居人リザヴェーダが翌日家を留守にする事を聞いてしまいます。
「自分が殺害をたくらむこれこれの老女がたったひとりで家にいることを、決行の前日、何ひとつ危険な問いや探りを入れたりすることなく、これ以上確実、かつ最小のリスクでもって突き止めることは困難だったろう。」
(第一巻、151ページ)

これが、偶然の2つ目。


3、凶器の斧を偶然入手

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当初自宅の台所に置いてある斧を凶器に使おうと考えていたラスコーリニコフなんですが、運悪くその日に限って女中ナスターシヤが台所で仕事中。
あーなんてこったと思って、フラッと外に出て何気なく庭小屋を見ると、鍵があいてる。
しかも中を覗いたら庭番は留守で、しかもちょうどよく斧があり、誰にも見つからずに凶器を得ることに成功します。
「この偶然に、ひどく勇気づけられた。」(第一巻、173ページ)


という風に偶然が重なっていくんですね。
殺人を犯す前という不安定な心理状態のラスコーリニコフにとって偶然が重なっていく事は、殺人を後押しする要因になっていると思います。
本文でも
「《こいつは理性じゃない、悪魔のしわざだ!》奇妙な薄笑いを浮かべながら思った。」(第一巻、173ページ)
と書かれています。

この後、ラスコーリニコフはアリョーナのアパートへ行き、殺人を実行。
殺人後のアパートでの逃走劇と心理戦はドキドキしながら読める部分になってます。
その話も書きたい所ですが、既にここまでで大分長文になったので、省略。

・・・・・・って第一部を読了し思ったことが。

「罪と罰」って有名な作品ですけど、一般的に知られているあらすじって「男が金貸し老婆を殺害して苦悩する話」とかだと思います。
今、ちょうど第一部を読了して、老婆は殺されてしまったので、あとの2部~6部&エピローグまでは「苦悩する話」が続くことが予想されます。

難しい話になっていく予感・・・読み切れるか不安です。

(注1)殺人の動機については読了した後に、別な理由が主であることが判明。早合点でした。(2016年5月2日記)

《経過報告》

第四回【 『罪と罰』読了まで何時間かかるか実際に計ってみた。】
読了ページ数 206ページ(総ページ数1293ページ)
経過時間 03時間05分18秒
現時点での読了予想時間 19時間23分04秒(現在の終了ページから計算した予想時間)

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今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は4月11日。
読んで頂きありがとうございました。


by mamesyakuhachi | 2016-04-04 00:01 | 読書企画