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『九年前の祈り』小野正嗣/著 『夏の流れ』丸山健二/著

読みました。先月発表の芥川賞。
小野正嗣「九年前の祈り」(講談社)

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九年の時を経て重なり合う二人の女性の思い。痛みと優しさが胸を衝く 〈母と子〉 の物語。』(帯文より)

感想は…えーと…、恥ずかしながら「今の自分では、よく分からなかった」です。
過去と現在の出来事が合わせ鏡の様にリンクしていて、点と点が線になるように進んでいきます。
が、うーむ、難しい…、何も言えない。

以前に聴いたラジオで著名人の方が「芥川賞に連戦連敗」と言ってました。

分かる。芥川賞は難しい…。

僕は芥川賞受賞作を今までにいくつか読みました。
全敗とはいかないまでも負け越し状態です。

でも、「芥川賞だから」というきっかけで読み、興味を抱いた作品もありました。

たとえば56回(1966年下半期)受賞作
丸山健二「夏の流れ」(講談社文芸文庫)

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「面白い!」と手放しに言える作品ではないのですが、むしろ面白いかどうかよりも物語の描かれ方(緊迫感に相対するような牧歌性)にすごく興味を持ちました。

小説の良さって僕にとっては物語の筋よりも表現方法とかによる所も大きいです。

曖昧模糊とした感情や出来事に、どんな文体で言葉や物語をつけていくのか、というような事。

小説の世界では明快なストーリーや起承転結が物語の邪魔をする事があります。
特に何も起きず、何も訴えていないように書かれている小説。
そんな一見平面的な小説なのに、何故だか心に残る事が沢山あります。

不思議な作品に出会ったとき、最初は「?」でも、そのうち「!?」や「!!」に変わるときがあります。

僕にとって芥川賞はそういう作品に出会わせてくれる文学賞なのかもしれません。

とは言っても、
これからも芥川賞には負け越し状態が続くでしょうね。

まあ、でもいいや。

読みたいから読みます。


今週はこれにて以上です。
更新は毎週月曜日。
次回は3月2日です。
読んで頂きありがとうございました。

by mamesyakuhachi | 2015-02-23 01:20 | 複数著者