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『砂の女』安倍公房/著 『明治・父・アメリカ』星新一/著 『こんとあき』林明子/著 『幕の内弁当』うみのさかな、宝船蓬莱/著

いつの間にやら涼しくなりました。

ベタですが読書の秋です。

世の出版物はこの時期に最も売れるのかと思いきや、一番売れるのは12月のようです。

書店における読者来店動向

ちなみに読書の秋の由来はどこから来ているのか・・・?

簡単に調べてみると、イメージの元になったのは中国唐代の詩人韓愈が詠んだ「灯火親しむべし」から、との事。
そのあと日本では大正時代に「読書の秋」という言葉が使われ始め、昭和22年に「読書の力で平和な文化国家を作ろう」という意味を込めて11月17日に「第一回読書週間」が設定され定着していったようです。

参考にしたURLはこちら

今日は、そんな読書の秋にちなんで、普段本を読まない方もきっと楽しめるような本を紹介しようと思います。

【有名な小説編】

安部公房「砂の女」(新潮文庫)

『砂の女』安倍公房/著 『明治・父・アメリカ』星新一/著 『こんとあき』林明子/著 『幕の内弁当』うみのさかな、宝船蓬莱/著_b0145160_10162113.jpg



安部公房の代表作です。
砂に埋もれた家の中で過ごす男女の無益で終わりの見えない生活。
常に漂う緊張感。ざらついた砂が蟻地獄のように読者を引き込んでいきます。
描写は重厚ながら一種のサスペンスとして読んでも大変面白いです。
僕が今まで読んだ小説の中で最も官能的な作品でした。


【意外な作家のノンフィクション】

星新一「明治・父・アメリカ」(新潮文庫)

『砂の女』安倍公房/著 『明治・父・アメリカ』星新一/著 『こんとあき』林明子/著 『幕の内弁当』うみのさかな、宝船蓬莱/著_b0145160_10281952.jpg



ショートショートで有名な星新一ですが、こちらは珍しい長編作品です。
父であり星製薬の創業者・星一の青春時代を描いたノンフィクション。
単身アメリカに渡り、その直後無一文になるも、その逆境を乗り越え進んでいく姿が躍動的に描かれています。
文章は星新一だけあって簡潔で分かりやすく、次々とページが進みます。


【泣ける絵本】

林明子「こんとあき」(福音館書店)

『砂の女』安倍公房/著 『明治・父・アメリカ』星新一/著 『こんとあき』林明子/著 『幕の内弁当』うみのさかな、宝船蓬莱/著_b0145160_1028812.jpg



小さな女の子あきと、ぬいぐるみのこん。
二人が祖母に会うために旅をするお話です。
ぬいぐるみのこんはどんなに辛い状況でも「だいじょうぶ。だいじょうぶ。」とあきを励まし続けます。
その健気な姿に泣いてしまいました。
自分が苦しいときこそ、人に優しくしたいものです。


【珍奇なるエッセイ】

うみのさかな、宝船蓬莱「幕の内弁当」(角川文庫)

『砂の女』安倍公房/著 『明治・父・アメリカ』星新一/著 『こんとあき』林明子/著 『幕の内弁当』うみのさかな、宝船蓬莱/著_b0145160_10283294.jpg



作者名にピンとこないと思いますが、実はこのお二人は、さくらももこ&元旦那さんです。
出版は1992年。
どうでも良い事にも旺盛な好奇心を発揮し、とにかく笑えます。
さくらももこの作品の中でも珍妙さが特に際立った一冊。奇本・珍書です。
ロータスクーポン、ジャロの謎、心霊写真自販機、夜の占い師の調査などなど。
書いてたらまた再読したくなりました。



今日はこれにて以上です。
毎週月曜日に更新。次回は9月29日です。
読んで頂きありがとうございました。

by mamesyakuhachi | 2014-09-22 10:45 | 複数著者