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『ゲルマニウムの夜』花村萬月/著

今日の音楽はthe boomの「砂の岬 Ponta de Areia」です。

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皆さん図書館って利用しますか?
僕は東京の23区内在住で、四つの区の境目あたりに住んでいます。
都内の図書館は区によって利用条件が異なりますが、在住していればもちろん利用できますし、隣接する区に在住していれば借りることができる事が多いみたいです。


今はインターネットで本やCDの検索・予約、取り置きが出来て便利です。人気作品も何人待ちか分かるようになっていたり、自分の借りている本の期限や貸出延長などもインターネットで手軽にできます。

そして、やはり無料なのが嬉しいです。

図書館は趣味での活用の他に、和楽器の古典音楽CDが結構充実しているので仕事でも活用してます。
堅い本の他にも、週刊誌やファッション誌もあり、数は少ないですが漫画もあります。


四つの区の境目に住む僕は四枚の図書館の会員カードを持ってます。この四枚のカードを駆使すればマイナーな本でも、ほぼ探し出せるので重宝してます。

今日聴いてる上記のリンクの曲は図書館でジャケットの印象だけで借りたCDの中の楽曲です。有名なバンドですが、THE BOOMのアルバム「TROPICAL­ISM-0°」です。
このアルバム結構いいです。


図書館行くとつい沢山借りてしまうんですけど、期限までに読まずに返すことも多いです。まぁ無理に読むことはないとは思ってますが。

今日は一番最近(先週)読んだ本を紹介します。


花村萬月「ゲルマニウムの夜」

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主人公の青年・朧(ろう)は一般社会で殺人を犯し、それから逃れるため幼少期を過ごした聖域・修道院に戻ってくる。閉塞的な修道院で起こる嘘や欺瞞、争い、それらを冷めた目線で見ながら、自我を探し出していく。それは朧の創る「王国」という形になっていく。

作品内の描写は生々しく迫力があります。暴力、官能といったいわゆる禁忌とされる事をリアルすぎるほどの筆力で描き出しています。作家の文章力を感じました。
敢えて難しい漢字を使うことによる重厚感もありました。

生々しすぎて気持ち悪くなりそうでしたが、深夜にいっきに読んでしまいました。
(小説にR18指定があるなら、確実に指定になりそうです)

作品で描かれる暴力、虐待や官能。
しかしながら朧が見ているのは、それよりも先にある風景。
この世のと自分のあるべき姿。

筆者はおそらく、陰惨な描写の向うに存在する観念を描き出していきたいのだと感じました。

しかしながら、おぼろげながら分かるものの僕にはよくは分からない所がありました。

その「分からない」っていうのは理解できないということじゃないんですが、確かに存在するであろうその観念の深い所まで手が届かない感じなんですよね。読みが足りないせいでしょうか。

朧の衝動は常軌を逸している、だからといって支離滅裂ではない。

作品は面白く、飽きないんです。でも深い部分にたどり着けない。

う~ん。難しい。

明確な答えや考えが提示できずすいません。
でも一読の価値ありです。

今回はこれにて以上です。

次回更新は8月22日に致します。

読んで頂きありがとうございました。
by mamesyakuhachi | 2013-08-16 11:22 | 花村萬月